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ISO14001の環境目標は、紙ごみ電気の削減じゃないとダメ?具体例も紹介

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2023年11月27日

ISO14001の環境目標は、紙ごみ電気の削減じゃないとダメ?具体例も紹介

ISO14001の環境目標は、紙ごみ電気の削減以外も可能です。
業務や業種によって環境目標の内容は異なりますが、環境方針と整合 しているか、測定可能であることなど、要求事項が求めることに沿う目標設定をしなければなりません。

1.環境目標とは

環境目標とは、環境方針をもとに、会社が実施する環境目的を満たすための実施事項です。

ISO14001では用語及び定義で環境目標を「組織が設定する、環境方針と整合のとれた目標」と規定しています。
つまり単に環境のために何かをする、ということは目標ではなく、会社で定めた環境方針の内容とズレが無いように決定した「実施するべき内容」が環境方針となります。

この環境目標には似た言葉として「目的」というものがあります。
現規格用語及び定義では混在される内容でもありますが、目的が実際の行動内容であるのに対して、目標は実施動機であると考えられます。
ですので、方針→目的→目標という順に行動を行うまでがグラデーションになっていると考えるとわかりやすいのではないでしょうか。

2.環境目標の具体例は?紙ごみ電気だけではない!

環境目標の具体例は?紙ごみ電気だけではない!

環境目標の内容として、紙ごみ電気以外で製造業では「不適合発生の減少」、営業職などでも「クレーム0」などを掲げ実際に審査を通過している事例があります。

以下、業種ごとの内容を簡単に記載します。

【製造業】

  • 不適合製品の削減
  • 仕掛品発生の削減

【印刷業】

  • ミスプリントの発生削減
  • 再生紙の活用

【運送業】

  • 運行ルートの見直し
  • 人身、物損事故0

これらは、環境の目標としてそぐわないのではないか、と思われるかもしれません。
直接的にゴミを減らす、電気使用量を減らすというものではありませんが、考え方を変えてみると例えば不適合が発生すると製造過程を再度やり直す必要が出てきます。

そうすると通常の稼働電力にプラスアルファとしての稼働電力がかかってしまう、指示書の再作成、製造した製品がごみとなり廃棄する必要が出てくる等「紙、ごみ、電気」の消費を行う結果となってしまいます。

つまり、不適合が減少すればこれらを少なくすることが自然とできるようになり、通常の業務にプラスしてISOのためだけの活動を行わなくても良いということになるのです。

3.環境目標を考えるコツ

環境目標については、ISOのためだけの活動とするよりも、通常の業務で実施していることをそのまま環境目標と繋げれると良いでしょう。

しかしながら、なんでも環境目標にできるかといえばそうではありません。

目標を設定する上で必要なのはISO14001の6.2.1に規定された以下の5つです。

環境目標は、次の事項を満たさなければならない。

a) 環境方針と整合している。
b) (実行可能な場合)測定可能である。
c) 監視する。
d) 伝達する。
e) 必要に応じて、更新する。

引用:「ISO 14001:2015 環境マネジメントシステム-要求事項及び利用の手引」

「会社がどうしていきたいか」という最初に定めた方針に合致しているか、感覚ではなく数値で結果を表すことができるか、過程を確認できるか、社内に共有できるか、目標について実現不可能では無いかなどの見直しを行えるか、というポイントがあります。

この点で消費電力や二酸化炭素排出量などは計測可能であり、わかりやすい目標設定です。
イメージとして紙、ごみ、電気で目標設定しなければいけないというのはこの規格要求から印象づけされているものです。

4.環境目標と環境方針の関係

ISO14001の運用のためには、最初に会社がISO14001をどのように運用するのか、という指針を定める必要があります。それが環境方針です。

環境方針の中にはISO14001の5.2に規定された以下の5つの内容を含む必要があります。

a)組織の目的,並びに組織の活動,製品及びサービスの性質,規模及び環境影響を含む組織の状況に対して適切である。

b)環境目標の設定のための枠組みを示す。

c)汚染の予防,及び組織の状況に関連するその他の固有なコミットメントを含む,環境保護に対するコミットメントを含む。

d)組織の順守義務を満たすことへのコミットメントを含む。

e)環境パフォーマンスを向上させるための環境マネジメントシステムの継続的改善へのコミットメントを含む。

引用:「ISO 14001:2015 環境マネジメントシステム-要求事項及び利用の手引」

このb)にかかれている環境目標というのが、本コラムで取り上げている内容です。

「環境方針とズレがないように」というのは、この要求事項に基づきます。
業務を行っている中で目標設定を行うことが良いとこのコラムで述べましたが、まずは環境方針を作成し、その後環境方針と反しない内容の環境目標を作るという順番となります。

5.まとめ

ISO14001の環境目標は、紙ごみ電気の削減でないとだめなのではないかという印象を抱きがちかと思いますが、実際には紙ごみ電気以外にも設定は可能です。

ただし、環境方針と整合 しているか、などの制約はあります。
要求事項で求められることを踏まえた上で、業務に関連した目標を設定することを意識すると良いでしょう。

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