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ISO27001取得の流れは?費用や期間、メリットも解説

2025年10月21日

ISO27001取得の流れは?費用や期間、メリットも解説

目次

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1.ISO27001とは?


製造業におけるISO9001取得の構築事例

(1)ISO27001とは

ISO27001とは、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際標準規格です。情報資産の保護、情報セキュリティリスクの管理、情報セキュリティ管理の継続的改善を目的としています。
組織がISO27001に準拠することで、情報セキュリティの管理体制が適切に機能していることを証明できます。簡単にいうと「安心・安全なビジネス環境を整えていこう」ということです。

(2)ISO27001と似ている言葉の意味

①ISO/IEC27001
ISO/IEC27001は、ISO27001のことです。ISO27001の正式な名称は、ISO/IEC27001です。
ISO/IEC27001は、ISO(国際標準化機構)とIEC(国際電気標準会議)が共同で策定したことを明確にするための正式な表記なのです。
時代とともに内容がアップデートされるものなので、「ISO/IEC 27001:2022」は2022年に改訂されたバージョンを意味しています。

②ISMS
ISMSとは、「Information Security Management System」の略で、情報セキュリティマネジメントシステムのことです。
ISO27001は「規格要求」を指し、ISMSは「マネジメントシステム」を指しますが、同義で使われることもあります。

(3)機密性・完全性・可用性の重要性


情報セキュリティの3要素

機密性・完全性・可用性とは情報セキュリティの3つの基本的な要素です。情報セキュリティマネジメントシステムでは、「機密性・完全性・可用性」の3つに対して、様々な対策を講じる必要があります。
それぞれは以下のように定義されます。3つの観点全てを考慮し、対策を講じていく必要があります。

①機密性(Confidentiality)

情報が漏えい・暴露を受けないように管理することを意味しています。
情報が許可された者だけがアクセスできる状態を指すため、不正なアクセスや漏洩から情報を保護することが求められます。

②完全性(Integrity)

情報が正確・最新で利用に耐える状態でないと、役に立たないという当たり前のことを意味しています。
情報が正確であり、不正な改ざんや破壊から保護されている状態を指すため、情報の信頼性を保つことが重要な要素です。

③可用性(Availability)

情報を使いたいときに使える状態にしておくことを意味しています。
情報が必要な時に、許可された者が適切にアクセスできる状態を指し、システムのダウンタイムやネットワークの遅延などから情報を保護することが求められます。

(4)ISO27001とPマークとの違い

Pマーク(プライバシーマーク)とは、個人情報を適切に取り扱う体制を整備している事業者を認定する制度です。日本産業規格(JISQ15001)の要求事項に則った個人情報保護マネジメントシステム(PMS)を構築するとともに、個人情報保護法にもとづいた対策をすることで、個人情報の「漏えい」「紛失」「改ざん」などのリスクを低減することを目的としています。
ISO27001とPマークはどちらもマネジメントシステムによるPDCAの仕組となり、第三者認証ですが、以下のような違いがあります。

対象範囲ISO27001は組織が持つ情報資産全般が対象(事業・事業所・部門単位での取得も可能)一方、Pマークは「個人情報」の保護(1社全体※全部署・全従業員)に特化しています。つまり、ISO27001の方が広い範囲を対象としています。
発行元ISO27001は国際標準化機構(ISO)が発行している国際規格です。グローバル視点で評価されます。Pマークは日本国内の認証制度です。
有効期限ISO27001は3年間の有効期限ですが、2回の維持審査と、1回の更新審査により毎年審査があります。Pマークは2年間の有効期限のため、2年に1度の審査があります。
上記のような違いはありますが、どちらがよいというものではなく、あくまで第三者認証となるため、顧客要求や、取得する目的に合わせて、規格を決めるようにしましょう。

2.ISO27001取得のスケジュール

ISO27001の認証を取得するためには、マネジメントシステムを構築し、運用し、審査を受ける必要があります。
具体的には以下のステップを踏むことでISO27001認証を取得することが可能です。


製造業におけるISO9001取得の構築事例

また、ISO27001の認証取得後も認証を維持するために1年に1回の維持審査(サーベイランス審査)、3年に1回の更新審査を受ける必要があります。

(1)全体の計画を立てる

取得までに必要な項目を洗い出し、計画を立てましょう。いつまでに取得完了したいかの期日、適用範囲、認証プロジェクトの担当者や予算を決定します。
また、「プロの手を借りたい」「専門家に導いて欲しい」という場合は、コンサルティング会社に問い合わせを行います。

(2)審査機関を選定する

多くの審査機関がある中で、審査を受ける審査機関を決定します。
自社の要望に合いそうな審査機関を数社選び、合い見積もりをとって決定します。

(3)情報セキュリティ方針、情報セキュリティ目的の作成

情報セキュリティ方針とは、情報セキュリティマネジメントシステムを構築する土台となる方針のことです。
そして、情報セキュリティ目的 とは情報セキュリティ方針と調合性が取れた計測可能な具体的な目的のことです。
これらは、情報セキュリティマネジメントシステムの中でも中核となる文書となるため、組織の目的や内外の課題、組織の全体的な方針(経営理念や企業目的)と整合したものを作成する必要があります。

(4)文書構築(マニュアル、適用宣言書、手順書等)、帳票整備

ISO27001では、下記の事項を満たす文書を作成する必要があります。
また必要な帳票整備も実施します。

  • ISMSマニュアル
  • 適用宣言書
  • 情報セキュリティ管理規程
  • 事業継続計画マニュアル
  • リスクアセスメント規程

また、帳票整備は見積書や契約書、仕様書など現場で使用する帳票のフォーマットの整備や保管方法、変更の管理方法などを決定します。この帳票整備をしっかり行わないと審査時にフォーマットに指摘が入ったりすることでこの後の運用ステップで対応方法や記録の方法が変わってしまいます。

以下の要求事項を満たせるようにしっかりと帳票整備を行いましょう。

  • 必要なときに,必要なところで,入手可能かつ利用に適した状態である。
  • 情報が十分に保護されている。
  • 配付,アクセス,検索及び利用が可能である。
  • 読みやすさが保たれ、保管及び保存されている。
  • 変更の管理がされている
  • 保持及び廃棄方法が適切である

(5)運用+運用記録作成

情報セキュリティ目的の達成を確実にする情報セキュリティ計画を実行し、マネジメントシステムを運用します。
運用フェーズはPDCAサイクルのD(実行)の部分に該当します。運用の記録や検証の結果を作成した帳票に記入し、後から振り返りができるようにしておきましょう。

(6)内部監査

内部監査とは、組織内部の人間によってマネジメントシステムを評価する監査のことです。
運用のフェーズはPDCAサイクルのC(チェック)の部分に該当します。外部の監査員を活用してはいけないという決まりはないため、コンサルに協力してもらうのも一つではあります。

内部監査では内部監査員としての力量を身に着けた数名が「マネジメントシステムが規格要求事項に合致しているか、ルール通り運用されているか(適合性)」ということと、「ルール通り運用していることが改善の役に立っているか( 有効性 )」を主に評価します。
また、意図した通りにマネジメントシステムが現場で運用されているか(複雑すぎて形骸化していないか)についても確認しておくと良いです。

(7)マネジメントレビュー

内部監査が完了したら、内部監査の結果に基づいてマネジメントレビューを実施します。
運用のフェーズはPDCAサイクルのA(改善)の部分に該当します。マネジメントレビューとは、トップマネジメントによって行われる情報セキュリティマネジメントシステムの評価のことです。

マネジメントレビューでは、内部監査の結果や情報セキュリティ目的と情報セキュリティ計画の乖離、 利害関係者 からのフィードバックをもとに等をインプットとして報告し、「改善の機会」および「情報セキュリティマネジメントシステムのあらゆる変更の必要性」、「資源の必要性」についてアウトプットを経営層からもらいます。
また、「マネジメントレビュー議事録」についても残しておきましょう。

(8)是正処置

内部監査やマネジメントレビューの結果、是正処置が必要な場合(不適合があった場合)は是正処置を行います。
是正処置とは不適合があった場合に原因を除去し、再発を防止するために行うことです。ここで注意しておきたいことは、取り急ぎ不適合を回避するための「修正」と是正処理を混同しないようにすることです。有効な是正処置を行えるようにすることも内部監査員の重要な役割です。

(9)第一段階審査

マネジメントレビューまで完了したら、ついに審査にのぞむことになります。
新規取得をする場合には2回の審査があり、1回目の審査は文書類の審査です。自社で作った文書類や記録類が、ISMS(ISO27001)の要求を満たしているかを確認されます。
文書類や記録類を確認してもらい、二次審査を受けられるかどうか のチェックをされます。

(10)第二段階審査

一次審査が終わると二次審査、いわゆる現地審査を迎えます。
自社で作ったルール通りに運用が行われているか、等の中身の妥当性を見る審査です。実際の仕事内容や現場をチェックしてISMSの認証ができる状態かを見られます。
第二段階審査では第一段階審査で受けた指摘事項の結果対応も見られますので、第二段階審査当日までに対応を終えておくようにしましょう。

(11)是正処置(該当する場合)

第一段階審査、第二段階審査後に発生する是正処置は、審査機関の審査で不適合があった場合に是正処置を行います。
指摘箇所に対して有効な是正処置を行うことで、認証取得を行うことができます。第一段階審査では、不適合ではなく懸念事項(審査機関によって呼び方は様々)がだされ、第二段階審査までの是正が求められます。

(12)認証取得

第二段階審査の結果、情報セキュリティマネジメントシステムがISO27001規格要求事項を満たしていると判断された場合、認証が発行されます。第二段階審査から一ヶ月程度で認証が発行され、手元に届きます。
ただし、不適合があった場合は是正処置を行う必要があり、認証取得予定日もずれ込んでしまうため注意が必要です。
また認証の発行と同時に認証マークも届きますので、名刺やホームページに掲載していくようにすると良いです。

ですが、認定証が届いたら終わりではありません。ISMS(ISO27001)は毎年審査があります。早速ですが、次年度の審査までの段取りを始めましょう。取得できて安心し、油断してたら何もしないうちに次の審査を迎えたといったことがないように進めるようにしましょう。

3.ISO27001認証取得までの期間

ISO27001の認証取得までの期間は、企業の規模や既存の情報セキュリティ管理体制の状況によりますが、一般的には約6ヶ月から1年程度とされています。
ただし、これはあくまで目安であり、準備が整っていればより短期間で認証を取得することも可能です。
また、逆に準備が不十分な場合や改善点が多い場合は、より長い期間を要することもあります。

4.ISO27001の取得費用

ISO27001には大きく分けて2種類の費用が発生します。

(1)認証審査費用

審査機関に支払う金額です。審査費用や認証登録費用等、ISO27001を取得する上で必ずかかる費用です。

(2)コンサルティング費用

自社のリソースのみで構築、運用をする場合、時間はかかりますが、コンサルティング費用はかかりません。自社と認証機関との間に入りコンサルティングしてくれるコンサル会社の費用は、新規取得時も同様ですが、その後ずっと続く運用面のサポートにも目を向けたほうがよいでしょう。
ISO27001は取得して終わりではありません。認証完了後も維持するためには維持審査、更新審査を受けるためランニングコストがかかりますので覚えておきましょう。

5.ISO27001認証取得メリット・デメリット

ISO27001認証取得についてメリット・デメリットを把握しておきましょう。

(1)メリット

ISO27001認証取得のメリットは以下です。

  • 情報セキュリティの国際的な基準に準拠していることを証明することができる。
  • 企業の情報セキュリティ対策が適切であることを第三者が認証することで、顧客や取引先からの信頼を得られる。
  • 定期的な教育の実施に伴い、情報セキュリティに関する従業員の意識向上に繋がる。
  • 情報セキュリティリスクを管理(情報セキュリティリスクの低減)を行うことで、情報漏洩やそれに伴う事故、インシデントを未然に防ぐことができる。
  • 法令遵守や契約上の義務を果たすためのフレームワークを提供できる。

多くの業態において、モバイル端末や電子機器等、それぞれが情報を持つことが当たり前になる中、情報管理の意識が低いと情報漏洩リスクが自然と高くなってしまいます。

組織の中でマニュアルを管理し、定期的なチェックを行うことが大事です。
また社内に必要な情報を周知することで、情報セキュリティに関する意識の改善・モラル向上に繋がるアクションとなります。更に、情報セキュリティリスクを洗い出し、必要に応じて管理策を設定するので、事前の対策として情報漏洩の防止が期待できそうです。
対外的メリットとしては、企業としての信頼感の向上が挙げられます。特に、取引先・顧客の情報を取り扱う企業であれば、情報のセキュリティ管理・従業員への教育・情報漏洩などの意識はとても重要で、常に取引先・顧客から求められています。

(2)デメリット

ISO27001認証取得のデメリットは以下です。

  • 認証取得までに時間とコストがかかる。
  • 継続的な改善と監査が必要であり、そのためのリソースが必要となる。
  • 全社的な取り組みが必要であり、組織全体の理解と協力が必要となる。
  • 認証取得後も定期的な更新が必要であり、そのためのコストと時間が発生する。

デメリットとして挙げられることは、やはり社内の新たな作業工数がかかること、そして時間やコストの発生となります。
認証取得自体も各種文書を作成し、担当者をつけて運用を厳密に行う必要があるため、情報セキュリティ管理者への業務負担が必然的に増えてしまいます。
また、毎年行われる審査への対応やコストがつきものです。一例として同様に、ITシステムで対応する場合システム開発・運用面にかかるコストが単純に増えることもデメリットのひとつといえます。ただし、ISO27001自体取得するのにかなりのリソースを費やしますが、適した形で導入することによりデメリットを抑えることができ、結果的にはさまざまな大きいメリットを受けられると考える方が良いでしょう。

6.ISO27001取得にコンサルタントは必要なのか

(1)ISO27001取得の難易度

ISO27001を取得するためには、要求事項に沿って仕組みを構築し、実際に運用していくことが求められています。

実際に、ISOではここまで実施したほうが良いというような強制的な要求はなく、どこまで実施するのかは組織(自社)で決定する必要があります。
また、取得のためにさまざまな工程を踏む必要があるので、現状と乖離した仕組みや運用を構築してしまうことも多いです。
その影響からISO27001取得のための構築となってしまい、情報セキュリティ管理者を含む従業員への負担が膨大なものとなってしまうこともあります。
そのため、実際組織で実施している仕組みや運用に対して、どこまで落とし込みするのか、適した仕組みになっているのかを検討・判断するのが難しいです。この結果全て、ISO27001取得の難易度を上げている要因となります。

(2)自社で運用する場合

自社で取得するメリットは、1番は目に見えるコストが抑えられるということが挙げられます。

コンサルタントに依頼するコスト面だけで考えると、自社で対応することでコンサルタント費用は抑えられます。
ただし、機会損失による見えない損失が発生することに注意するべきです。
また、ISO27001は取得までに長期的な取り組みが必要ですが、通常業務と兼任や兼務するパターンが多く、実施対応を継続的に行う必要があります。なのでメリットの一つかもしれませんが、コンサルタント会社の設定したスケジュールではなく自社のペースで取り組むことが可能です。

しかし、専門知識がなければ取得までの手順で躓くことも多く、手順通りに進まない可能性があるというデメリットが考えられます。
自社での必要な箇所・不要な箇所の見極めが難しく、作業工数が新たに発生する可能性もあります。
工数だけでなく、コスト面においてもコンサルタント費用という目に見えるコストは抑えることができても、人件費や運用費といった見えづらいコストが多くかかってしまう可能性があることを知っておきましょう。

(3)コンサルに依頼する場合

ほとんどの企業ではISO27001の取得をお願いされた担当者が通常業務と兼任や兼務でISO27001の担当となることが多いため、負担が大きくなりやすいです。
ISO27001の取得をする際には、専門知識や最新の情報を持つコンサルタントに依頼するのがおすすめで、一番の近道だと考えます。
ゼロから規格要求事項の勉強、また外部セミナーに参加、書類の作成、審査の対応などにかかる時間・費用・工数を考えると、コンサルタント会社を使用するほうが効果的です。
なによりコンサルタントは他社事例や経験を多く持っているため、よりスムーズな取得へ導いてくれます。

7.取得後の運用と更新審査

ISO27001の認証は、取得して終わりではなく、継続的な運用と改善を通じて維持していくことが求められます。その中心となる考え方が「PDCAサイクル」であり、また認証維持には定期的な審査(維持審査・更新審査)への対応が必要です。

(1) PDCAサイクルによる継続的改善

ISO27001の本質は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を継続的に改善し、実効性を高めていくことです。これを実現するために、以下のPDCAサイクルを回していきます。

フェーズ内容実施例
Plan(計画)情報セキュリティ目的の設定、リスクアセスメントの策定リスク評価の更新、教育計画の立案
Do(実行)計画に基づく運用セキュリティ対策の実施、社員教育
Check(評価)運用状況の確認と評価年1回の内部監査の実施
Act(改善)評価結果に基づく改善マネジメントレビュー、是正処置の実施

このサイクルを定着させることで、形式的な運用ではなく、実効性のあるISMS運用が可能となり、審査時にも有効な証拠となります。

(2) 維持審査・更新審査の流れと費用

ISO27001の認証を維持するには、以下のような定期審査を受ける必要があります。

維持審査(サーベイランス審査)

実施時期
認証取得の翌年・翌々年
内容
ISMSが継続的に運用・改善されているかを部分的に確認
費用目安
年間20~40万円程度(新規取得費用の約1/3)

更新審査(再認証審査)

実施時期
認証取得から3年目
内容
3年間の運用全体を総括的に審査し、認証更新の可否を判断
費用目安
40~60万円程度(新規取得費用の約2/3)

審査対応の負担を軽減するためには、日常的に記録管理や是正処置の履歴を整備しておくことが重要です。

このように、ISO27001の認証維持には、PDCAサイクルによる継続的な改善と、定期的な審査対応が不可欠です。運用を形式的なものにせず、実効性を持たせることが、認証の価値を高める鍵となります。

8.ISO/IEC 27001:2022年版改訂のポイント

ISO/IEC 27001は、情報セキュリティを取り巻く環境の変化に対応するため、2022年に改訂されました。クラウドサービスの普及、リモートワークの拡大、サイバー攻撃の高度化などを背景に、より実践的でリスクベースの考え方が重視される構成へと進化しています。これから認証取得を目指す企業はもちろん、すでに2013年版で認証を取得している企業も、2025年10月末までに新規格への移行が求められます。

(1) 改訂の背景と主な変更点

2022年版では、特に「附属書A(管理策)」の見直しが大きなポイントです。以下の表に主な変更点をまとめました。

項目変更内容
管理策114項目 → 93項目に統合・整理
管理策の分類従来の14分類 → 「組織的」「人的」「物理的」「技術的」の4テーマに再構成
新規追加された管理策「クラウドサービスの利用」「脅威インテリジェンス」「Webフィルタリング」「データマスキング」「構成管理」など11項目
文書構成他のISO規格(ISO9001、ISO14001など)との統合運用を意識し、よりシンプルで分かりやすい構成に変更

これらの変更により、現代のセキュリティ環境に即した、より実効性の高いISMS運用が可能になります。

(2) 移行期限と対応の進め方

ISO/IEC 27001:2013版で認証を取得している企業は、以下のステップで2022年版への移行を進める必要があります。

ステップ内容
①ギャップ分析現行のISMSと新規格との違いを把握
②リスクアセスメント・適用宣言書の更新新しい管理策を反映させる
③文書・手順書・教育内容の見直し必要に応じて改訂し、従業員への教育も実施
④内部監査・マネジメントレビュー改訂内容の実施状況を確認し、改善点を抽出
⑤ 更新審査または特別審査の受審審査機関による認証更新を受ける

 

移行期限:2025年10月末まで

この期限を過ぎると、旧版(2013年版)の認証は無効となるため、早めの対応が推奨されます。審査スケジュールの混雑を避けるためにも、余裕を持った準備が重要です。

この改訂は、単なる形式変更ではなく、情報セキュリティの実効性を高めるための重要なステップです。企業のISMS運用を現代のリスク環境に適合させるためにも、積極的な対応が求められます。

9.よくある質問(FAQ)

ISO27001の取得を検討する際に多くの企業が抱く疑問について、代表的な3つのポイントをQ&A形式でまとめました。

(1) 小規模企業でもISO27001を取得できますか?

はい、可能です。ISO27001は企業規模や業種を問わず適用できる国際規格です。重要なのは「規模」ではなく、「自社に見合った情報セキュリティ体制を構築すること」です。

小規模企業の場合は、以下のような工夫で無理なく導入できます。

  • 適用範囲を特定の部門や拠点に限定する
  • 組織規模に合わせたシンプルな仕組みで運用する
  • リスクと取得目的に応じた柔軟な対応が可能

実際に、従業員10名以下の企業でも取得している事例は多数あります。

(2) ISMS運用の負担はどれくらいですか?

ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の運用には、一定の負担が伴いますが、工夫次第で効率化が可能です。主な運用項目と負担軽減のポイントは以下の通りです。

運用項目内容負担軽減のポイント
文書管理・記録作成運用状況の記録、是正処置の履歴など不要な文書を減らし、既存業務に組み込む
内部監査の実施年1回以上の監査で運用状況を確認テンプレートやチェックリストを活用
従業員教育情報セキュリティ意識の向上eラーニングや定期研修の導入

クラウドシステムやツールの活用により、担当者の工数を年間数十日から大幅に削減することも可能です。また、ISMS運用を通じて業務の属人化防止や情報管理の効率化が進み、結果的に企業全体のリスク低減にもつながります。

(3) コンサルティング会社を選ぶときのポイントは?

ISO27001の取得・運用をスムーズに進めるためには、信頼できるコンサルティング会社の選定が重要です。選定時に確認すべきポイントは以下の通りです。

チェック項目内容
実績と専門性自社と同業種・同規模での支援実績があるか。2022年版への対応経験があるか。
実務への理解自社の業務に沿った、無理のない仕組みを提案してくれるか。
サポート範囲文書作成・教育支援・審査対応など、取得後の運用支援まで含まれているか。

費用だけでなく、サポートの質や範囲を重視することで、取得後も安心してISMSを維持・改善していくことができます。

これらのポイントを押さえることで、ISO27001の取得と運用をより現実的かつ効果的に進めることができます。小規模企業でも十分に対応可能ですので、まずは自社の目的と体制に合わせた計画から始めてみましょう。

ISO27001(ISMS)のコンサルについて詳しくはこちら

10.【成功事例】ISO27001コンサルを活用した企業様の声

この章では、認証パートナーのISMS取得コンサルティングサービスをご利用いただいた企業様の事例をご紹介します。

(1)株式会社すごい改善様:サービス業

■ISMS取得のきっかけ

エクセルの外注業をしており、クライアント様の機密情報の取扱いをするうえで、
情報管理を徹底しているという証明になるものが必要だったため。

■コンサル会社(認証パートナー)を利用したきっかけ

知人の会社が2社ほど御社で取得に成功していたこと、弊社はリソース不足が大きな課題だったので、書類作成やその他細々とした作業も、全面的にサポートしてくださるところが決め手になった。

■コンサル会社(認証パートナー)に依頼した効果

全面的にサポートして盛られたことで、こちらが分からないことを
ゼロベースで調べて対応する必要がなかった。
打合せの際に全てリカバリーしてくれたので、書類の準備やその他の作業でも、ストレスが一切なかった。

▼株式会社すごい改善様のお声はこちら
https://ninsho-partner.com/isms/voice/sugoikaizenn-1021/

(2)SOLASTER株式会社様:製造業

■ISMS取得のきっかけ

日系企業のお客様と業務を進めていく案件に応募するにあたり、よりしっかりとしたITセキュリティ体制が必要だと考え、ISMS(ISO27001)の取得を目指すことにした。

■コンサル会社(認証パートナー)を利用したきっかけ

営業の方のご対応が非常に誠実で、話していくうちに「ぜひサポートをお願いしたい」と満場一致で決まった。

■コンサル会社(認証パートナー)に依頼した効果

ISMS(ISO27001)の取得に向けて、準備するものも非常に多く地道な作業も多いが、担当の方の献身的なサポートのおかげで、取得まで辿り着けた。必要な書類も認証パートナーさんが作成してくれ助かった。

▼SOLASTER株式会社様のお声はこちら
https://ninsho-partner.com/isms/voice/isms_230713_s/

11.まとめ

本記事では「ISO27001(ISMS)認証の取得」をテーマに、取得までの流れや費用、期間、メリット、運用のポイントなどを解説しました。要点を整理しておきましょう。

ISO27001の概要について

  • ISO27001は、情報資産を「機密性・完全性・可用性」の3つの観点から保護する国際規格
  • 個人情報保護を目的とした「Pマーク」との違いを理解しておくことが重要

取得の流れと期間について

  • 計画立案から審査機関選定、文書作成、内部監査、マネジメントレビューを経て認証取得に至る
  • 通常、取得までの期間は6か月~1年程度が目安

取得費用について

  • 審査費用は企業規模や範囲により異なるが、初回審査・維持審査・更新審査で数十万円~百万円前後が一般的
  • コンサルティングを依頼する場合は、30万~150万円程度が相場

メリット・デメリットについて

  • 取引先や顧客からの信頼向上、入札・調達での評価向上など大きなメリットがある
  • 一方で、文書作成や継続的運用に一定の労力が必要

コンサルタント活用の有無について

  • 自社での対応も可能だが、初めての企業では構築・運用に手間取るケースが多い
  • 専門コンサルを活用することで、効率的かつ短期間での取得が可能

取得後の運用と更新審査について

  • ISO27001は「取得して終わり」ではなく、PDCAサイクルを通じた継続的改善が求められる
  • 毎年の維持審査と3年ごとの更新審査を確実に実施することが重要

2022年版改訂対応について

  • ISO/IEC 27001:2022では管理策が整理され、現代のセキュリティリスクに即した構成へ変更
  • 2025年10月末までに新規格への移行対応を完了させる必要がある

取得をスムーズに進めるポイント

  • 社内の責任体制を早期に確立し、テンプレートやツールを活用する
  • 複数の審査機関から見積もりを取得して比較検討する
  • 経験豊富なコンサルタントの支援を受けることで、時間・費用・負担を最小化できる

ISO27001は、単なる認証ではなく、企業の信頼性と競争力を高めるための仕組みです。
本記事を参考に、ISO27001認証取得の全体像を把握し、貴社の実情に合わせた最適な方法でスムーズな認証取得・運用を進めていただければ幸いです。

 

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