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ISO9001 設計・開発のインプット、記録とは?具体例で解説!

2025年6月11日

ISO9001 設計・開発のインプット、記録とは?具体例で解説!

今回は、ISO9001:2015の8.3.3項「設計・開発へのインプット」についてご紹介します。

1.「設計・開発」とは何か?

まず、「設計・開発」とは何を指すのでしょうか?

ISOでは、「対象に対する要求事項を、その対象に対するより詳細な要求事項へ変換する一連のプロセス」と定義されています。

例えば、お客様がメニューを見て「野菜炒め定食」を注文したとします。

この「野菜炒め定食」という注文は、お客様からの基本的な「要求事項」です。

これに対し、厨房では、どの種類の野菜をどれくらいの量使用するのか、どのような調味料で味付けをするのか、炒める時間や火加減はどうするのか、ご飯の量や味噌汁の種類はどうするのか、といった具体的な調理手順や材料の選定に関する詳細な要求事項がレシピに基づいて決定され、調理が行われます。

そして最終的に、「野菜炒め定食」という具体的な製品(料理)がお客様に提供されます

この一連のお客様の抽象的な要求を、具体的な調理手順や材料の選定といった詳細な要求事項に変換し、最終的な製品として提供する活動全体が、ISOにおける「設計・開発」に相当するのです。

このように、設計・開発は、顧客やその他の利害関係者からのニーズや期待を正確に把握し、それを実現するための具体的な計画を策定し、実行に移すための組織的な活動全体を指します

この基本的な考え方を理解することで、8.3.3項の理解がグッと深まりやすくなります。

2.JIS Q 9001:2015「8.3.3 設計・開発へのインプット」の内容

JIS Q 9001:2015の「8.3.3 設計・開発へのインプット」では、組織が効果的な設計・開発を実施するために、明確にしなければならない重要な要求事項が詳細に規定されています。

組織は、設計・開発する製品・サービスに不可欠な要求事項を特定し、以下の事項を考慮する必要があります。

8.3.3 設計・開発へのインプット

組織は、設計・開発する特定の種類の製品及びサービスに不可欠な要求事項を明確にしなければならない。組織は次の事項を考慮しなければならない。

a)機能及びパフォーマンスに関する要求事項
b)以前の類似の設計・開発から得られた情報
c)法令・規制要求事項
d)組織が実施することをコミットメントしている、標準又は規範
e)製品及びサービスの性質に起因する失敗により起こり得る結果

インプットは、設計・開発の目的に対して適切で、漏れがなく、曖昧でないものでなければならない。設計・開発へのインプット間の相反は、解決しなければならない。
組織は、設計・開発へのインプットに関する文書化した情報を保持しなければならない。

引用元:JISQ9001(ジスキュー9001):2015

3.旧版(ISO9001:2008)との違いは?

ISO9001:2008では「7.3.2 設計・開発へのインプット」として以下のように記載されていました。

7.3.2 設計・開発へのインプット

製品要求事項に関連するインプットを明確にし、記録を維持しなければならない(4.2.4参照)。インプットには、次の事項を含めなければならない。

a)機能及び性能に関する要求事項
b)適用される法令・規制要求事項
c)適用可能な場合には、以前の類似した設計から得られた情報
d)設計・開発に不可欠なその他の要求事項

引用元:ISO9001(アイエスオー9001):2008

2015年版では、2008年版の基本的な要求事項を包含しつつ、より明確化と柔軟性が図られています。

「記録を維持する」という表現が「文書化した情報を保持する」に置き換えられましたが、これは単なる用語の変更というよりも、情報管理に対するより広範な視点を示すものです。

実質的な要求事項に大きな違いはありませんが、2015年版では、製品やサービスの性質に起因する失敗によって生じる可能性のある結果、すなわち「リスクの考慮」が、設計・開発へのインプットの重要な要素として明確に追加されました。

これは、現代の品質マネジメントにおいて、リスクに基づいた思考がより重視されていることを反映しています。

4.「文書化した情報」の2つの意味

ISO9001:2015では、「文書化した情報」という用語が頻繁に登場しますが、その文脈によって「維持する」と「保持する」という2つの異なる動詞が用いられています。

これらの違いを正確に理解することは、規格の要求事項を適切に解釈し、実行する上で非常に重要です。

(1)「文書化した情報を維持する」

これは、組織が品質マネジメントシステムを運用するために必要な手順書、プロセス、マニュアル、作業指示書などの文書を作成し、常に最新の状態に保ち、利用可能にしておくことを意味します。これらの文書は、組織の活動の進め方やルールを明確に示すものであり、一貫性のある業務遂行と品質保証の基盤となります。

(2)「文書化した情報を保持する」

これは、組織が業務活動の結果として作成される記録(例えば、会議議事録、検査記録、校正記録、顧客からのフィードバック、監査報告書など)を保管し、後からその内容を確認できるようにすることを意味します。これらの記録は、組織の活動の実績を示す客観的な証拠となり、トレーサビリティの確保や改善活動の分析に不可欠です。

したがって、「8.3.3 設計・開発へのインプット」においては、設計・開発の根拠となった顧客要求、技術情報、法令規制、リスク評価などの情報を文書化し、それらの記録を「保持する」ことが求められます。

5.実務で求められる「インプット」の記録とは?

それでは、「8.3.3 設計・開発へのインプット」として、どのような記録が必要になるのでしょうか?

業種別の具体例をいくつかご紹介します。

(1) 製造業

  • 仕様書
  • 製作図面
  • お客様との打ち合わせ記録 など

(2) 建設業

  • 建築基準法等の法令情報
  • 仕様書
  • 打ち合わせ議事録 など

(3) システム開発

  • 仕様書
  • テスト計画書
  • 要件定義書 など

このように、普段の業務で使っている書類の多くがそのままインプットの記録として活用可能です。

ISOのためだけに新たな記録を作る必要はほとんどありません。

まとめ

ISOをシンプルに運用するコツは、規格に振り回されすぎないようにすることです。

各部門で業務の進め方を見直し、プロセス全体を一つの文書としてまとめることで、わかりやすく効率的な運用が可能になります。

そして、本業で使っている書類がISOのどこに該当するかを意識することが、シンプルにISOを活かす最も効果的な方法です。

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