2019年6月7日
今回はISO9001:2015年版 7.5文書化した情報についてお話します。
まずISO9001:2008年版と大きく変わっているのは用語の定義です。
今までのISO9001:2008年版では、文書類、品質マニュアル、文書化された手順、記録などと呼んでいましたが、ISO9001:2015年版からはこれらを全て総称して文書化した情報とひとまとめで呼ぶようになりました。文書や帳票、記録というものを全て文書化した情報だという認識になったということです。品質マニュアルに至っては要求項番からなくなってしまっています。
それでは7.5項を細かく見ていくことにします。
7.5.1一般
組織の品質マネジメントシステムは、次の事項を含まなければならない
a) この規格が要求する文書化した情報
これはISO9001:2015(JIS Q 9001:2015)に文書化された情報と書かれた部分のことです。
b) 品質マネジメントシステムの有効性のために必要であると組織が決定した、文書化した情報
これは会社がいると決めた文書化された情報なので、会社が決めてよいものということになります。
注記 品質マネジメントシステムのための文書化した情報の程度は、次のような理由によって、それぞれの組織で異なる場合がある。
-組織の規模、並びに活動、プロセス、製品及びサービスの種類
会社の大きさや実際に行う仕事内容によって、文書化した情報の必要さは変わるということです。たとえば、製造業さんのようなものを作るようなお仕事の場合と形のないものを提供するサービス業さんでは、操作するものもお仕事の流れも違うので、必要とされる文書も変わってくるということです。
-プロセス及びその相互作用の複雑さ
お仕事などの複雑さによっても文書化した情報の必要さは変わります。たとえば、人の力量によっては、文書化した情報の必要さが変わります。たとえば、人の力量があまりない場合には、作業手順書のような文書化した情報を用意しないとお仕事が回らない可能性があるからです。
7.5.2作成および更新
文書化した情報を作成および更新する際、組織は、次の事項を確実にしなければならない。
a) 適切な識別及び記述(たとえば、タイトル、日付、作成者、参照番号)
識別、なので違いがわかるようにしておくことです。○○マニュアル、○○規定など名称で分けたり、作成日や改定日で日付が違うものだとわかるようにしておくと良いです。
b) 適切な形式(たとえば、言語、ソフトウェアの版、図表)及び媒体(たとえば、紙、電子媒体)
文書の使いやすさなどによって形式や媒体を分けましょうということです。たとえばPCや電子機器の持ち込めないところでの文書化された情報を利用しなければならないときは紙媒体での利用にするなどです。
c) 適切性及び妥当性に関する、適切なレビュー及び承認
文書化された情報が目的にかなった内容になっているかかどうか、過不足の内容になっているかどうかを評価し、OKを出す必要があるということです。
7.5.3文書化した情報の管理
7.5.3.1品質マネジメントシステム及びこの規格で要求されている文書化した情報は、次の事項を確実にするために、管理しなければならない。
a)文書化した情報が、必要なときに、必要なところで、入手可能かつ利用に適した状態である。
大切なことを文書化した情報としたのに、必要なときに必要なところで使えなければ、文書化した意味がありません。文書化した情報を正しく使えるようにしておく必要があります。
b)文書化した情報が十分に保護されている(例えば、機密性の喪失、不適切な使用及び完全性の喪失からの保護)
文書化した情報を、漏えいや改善、紛失しないように守ることです。起きてはいけないことを起きないように文書化された情報を守る必要があります。
7.5.3.2文書化した情報の管理に当たって、組織は、該当する場合には、必ず、次の行動に取り組まなければならない。
a)配布、アクセス、検索及び利用
文書化した情報が誰の手に渡って、誰が使えるようにしているか管理しておくことです。
b)読みやすさが保たれることを含む、保管及び保存
使う人が文書化した情報を読みやすいように置いておくことです。
c)変更の管理(例えば、版の管理)
文書化した情報のどれが最新版であるのかどうか、どこが変更された箇所なのかをはっきりさせておくことです。たとえば、版番号や作成日・改定日などで最新版をはっきりわかる状態にしておくことです。
d)保持及び廃棄
文書化した情報をどの程度もっておくのか、どのように捨てるのかを決めておくことです。捨て方などを決めておかないと漏えいなどの問題が出る可能性があるからです。
いかがでしたか?
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