プロセスアプローチとは?導入の手順から失敗しないためのコツまで徹底解説
2025年12月24日

目次
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- 1.プロセスアプローチとは
- (1)プロセスアプローチとPDCAサイクルの関係
- (2)ISO9001におけるプロセスアプローチの役割
- 2.プロセスアプローチを導入する5つのメリット
- (1)業務の全体最適を実現できる
- (2)プロセスごとの責任と役割が明確になる
- (3)継続的な改善がしやすくなる
- (4)顧客満足度の向上につながる
- (5)無駄や重複業務の削減が図れる
- 3.プロセスアプローチの具体的な実践手順
- (1)プロセスの定義と可視化
- (2)プロセスの相互作用の理解
- (3)プロセスの運営管理
- (4)プロセスのシステムとしての適用
- 4.プロセスアプローチ導入時の失敗パターン5選
- (1)プロセスの目的や成果が曖昧なまま運用している
- (2)プロセス間の連携不足が成果に直結していない
- (3)KPIを設定していない、または形だけで機能していない
- (4)責任者が不在、または責任と権限が不明確
- (5)教育や理解不足により現場に浸透していない
- 5.まとめ
「プロセスアプローチって何だろう?」
「難しそうだけど、実務でどう使えばいいの?」
結論からお伝えすると、プロセスアプローチとは「仕事の流れを見える化し、つなげて、改善する考え方」であり、どんな職場でも役立つ手法です。
なぜなら、業務を一つひとつの流れとして捉えることで、ムダを減らし、ミスを防ぎ、チーム全体の力を高めることができるからです。
特に、現場で連携がうまくいかない、改善が続かないと感じている方には、大きなヒントになるはずです。
この記事では、プロセスアプローチの基本から、具体的な導入手順、よくある失敗とその対策までをわかりやすく解説。
はじめて聞いた方でも安心して読めるよう、順番にやさしく解説していきます。
1.プロセスアプローチとは

プロセスアプローチとは、仕事の流れを「プロセス=一連の活動」として捉え、全体のつながりを意識しながら管理、改善していく考え方です。
業務をバラバラに見るのではなく、「どこから何を受け取り、どんな成果を出すのか」「誰が関わっているのか」を明確にすることで、組織全体の働きを整理していきます。
| プロセス名 | 主な作業内容 | 次のプロセスへのつながり |
| 注文受付 | お客様からの注文を受け取る | 注文内容を在庫管理チームへ伝える |
| 在庫確認 | 商品があるかを確認する | 問題なければ梱包・発送に進める |
| 梱包・配送 | 商品を梱包し、発送する | お客様に商品が届く |
例えば、商品の注文から発送までの流れを考えるとき、「注文受付」「在庫確認」「梱包・配送」といった一つひとつの作業を、それぞれのプロセスとして整理します。
そして、それぞれのプロセスがどのように関わっているのかを確認し、無駄やミスを減らしていきます。
これにより、効率的な働き方や、品質の向上につなげることができるのです。
(1)プロセスアプローチとPDCAサイクルの関係
プロセスアプローチとPDCAサイクルは、どちらも業務や品質を継続的に改善するために欠かせない考え方です。
PDCAサイクルとは、「計画(Plan)」「実行(Do)」「確認(Check)」「改善(Action)」の4つの流れで構成される改善手法です。
この2つを組み合わせることで、より効果的にプロセスの管理と改善が行えるようになります。
また、業務の進み具合や成果を見える形で確認できるため、効率のよい運営にもつながります。
(2)ISO9001におけるプロセスアプローチの役割
ISO9001では、プロセスアプローチが品質マネジメントシステムの基本として重要な役割を持っています。
この考え方を取り入れることで、組織全体の業務を効率よく管理し、品質の安定や向上を図ることができます。
ISO9001では、業務をいくつかのプロセスに分けて整理し、それぞれの目的、インプット、アウトプット、責任などを明確にすることが必要です。
さらに、それらのプロセスがどのようにつながっているかを把握し、全体として問題なく機能するよう調整しなければなりません。
その結果、部門間の連携が強まり、組織全体として一貫性のある運営が可能になるのです。
2.プロセスアプローチを導入する5つのメリット
プロセスアプローチを導入することで得られる主なメリットは、大きく分けて5つあります。
- 業務の全体最適を実現できる
- プロセスごとの責任と役割が明確になる
- 継続的な改善がしやすくなる
- 顧客満足度の向上につながる
- 無駄や重複業務の削減が図れる
ここでは、プロセスアプローチがもたらす具体的な効果について、順番にご紹介します。
(1)業務の全体最適を実現できる
プロセスアプローチを導入することで、組織全体の業務が無理なくつながり、全体最適が実現しやすくなります。
個々の作業を部分的に見るのではなく、プロセス同士の関係や流れを意識することで、組織全体の動きを一つの仕組みとして捉えられるようになるからです。
| 状態 | 起こりやすいこと | 結果 |
| バラバラに動いている場合 | ・営業が受けた注文情報を製造が把握していない ・出荷準備が間に合わない | ・納期遅れ ・ミスの増加 ・顧客の不満につながる |
| 全体を設計してつなぐ場合 | ・営業→製造→出荷が一つの流れとして管理されている ・情報共有がリアルタイムで行われる | ・作業がスムーズに進む |
例えば、営業、製造、出荷などの各プロセスがバラバラに動くと、納期遅れやミスが起きやすくなります。
しかし、全体の流れを設計し、情報や作業をスムーズにつなげることで、無駄が減り、全体として効率の良い運営が可能になります。
このように、プロセスアプローチは「部分」ではなく「全体」を見て業務を改善するための考え方です。
(2)プロセスごとの責任と役割が明確になる
プロセスアプローチでは、それぞれのプロセスに対して「誰が責任を持つのか」「どのような役割を果たすのか」を明確にします。
こうすることで、業務上の曖昧さや責任の押しつけ合いを防ぐことができるのです。
例えば、商品を発送するプロセスでは、「梱包はAさん」「出荷指示はBさん」と決めておけば、ミスがあった場合にも原因を特定しやすくなります。
また、役割がはっきりしていることで、仕事を引き継ぐときにもスムーズに対応できるでしょう。
責任と役割を可視化することは、業務の安定や信頼性の向上にもつながります。
(3)継続的な改善がしやすくなる
プロセスアプローチは、PDCAサイクルとの相性が良く、改善活動を仕組みとして定着させることができます。
例えば、毎月の業務で「この手順は時間がかかっている」と気づいたとき、原因を分析することで、改善策を試すことができます。
改善の結果を評価し、さらに良くする流れを続けていくことで、業務は自然とよくなっていくでしょう。
一度決めた方法を守るだけでなく、「もっと良くできないか」を常に考えることができるのも、プロセスアプローチの強みです。
(4)顧客満足度の向上につながる
プロセスアプローチを導入することで、業務の流れが整理され、品質や納期のばらつきが減るため、顧客からの信頼を得やすくなります。
例えば、顧客の声をフィードバックとして各プロセスに反映することで、期待に応えるサービスを提供しやすくなります。
顧客にとって一番大切なのは、「約束通りに、質の良いものが届くこと」です。それは結果的に、顧客満足度の向上にもつながります。
(5)無駄や重複業務の削減が図れる
業務の流れを整理する中で、「同じことを繰り返していないか」「不要な作業がないか」を見直すことができます。
これにより、無駄や重複した業務を減らし、効率的な働き方につなげることができます。
例えば、同じ内容のチェックを別の担当者が何度もしていたり、使われていない報告書を毎日作っていたりすることがあります。
それらをプロセス単位で見直せば、時間やコストを大きく節約できるでしょう。
無駄をなくすことは、ただ作業を減らすだけではありません。
本当に必要なことに集中できる環境をつくり、組織全体のパフォーマンスを高めることにつながるのです。
3.プロセスアプローチの具体的な実践手順
プロセスアプローチを現場で実践するための基本的な手順は、以下のとおりです。
「プロセスアプローチの4段階モデル」とも言われています。
- プロセスの定義と可視化
- プロセスの相互作用の理解
- プロセスの運営管理
- プロセスのシステムとしての適用
それぞれの手順の目的とポイントについて、見ていきましょう。
(1)プロセスの定義と可視化
プロセスアプローチを進めるうえで、最初に必要なのがプロセスの定義と可視化です。
仕事の流れをプロセスごとに分けて整理し、それぞれの目的、インプット、アウトプット、担当者などを明確にします。
例えば、製造プロセスであれば、原材料(インプット)を製品(アウトプット)に変えることが目的であり、製造部門が主な担当となります。
このように、業務を「見える化」することで、全体の構造がわかりやすくなり、関係者が共通の理解を持つことができます。
フローチャートやプロセスマップなどの図を使うと、視覚的にも伝わりやすくなります。
(2)プロセスの相互作用の理解
業務の流れは、単独のプロセスで完結することは少なく、多くの場合、他のプロセスとつながりながら動いています。
例えば、営業プロセスのアウトプットである「注文情報」が、製造プロセスのインプットとなり、さらにその製造の成果が出荷プロセスにつながっていきます。
このつながりを把握せずに各部門がバラバラに動くと、納期の遅れやミスが起きやすくなります。
プロセスの相互作用を理解することは、全体のバランスや効率を保つ上でとても重要です。
(3)プロセスの運営管理
プロセスを定義しただけでは、業務はうまく進みません。
実際に運用しながら、その内容を確認、評価し、必要に応じて改善していく運営管理が重要になります。
例えば、あるプロセスでミスが多発している場合、作業手順に無理があるか、教育が不足している可能性があります。
このような問題を見つけて対処するには、プロセスごとに目標や評価指標(KPI)を設け、定期的に見直す仕組みが必要です。
計画した通りに動いているかを確かめ、より良い方法がないかを考えることで、プロセスの質は着実に向上していきます。
(4)プロセスのシステムとしての適用
プロセスアプローチの最終的な目的は、個別のプロセスを単に良くすることではなく、それらをひとつのシステムとして機能させることです。
全体を見て、相互の関係性と整合性を保ちながら、組織全体の成果につなげていくことが求められます。
例えば、品質を向上させるために製造だけが努力しても、営業や出荷の連携がとれていなければ、顧客満足には結びつきません。
すべてのプロセスがつながりを持ち、共通の目的に向かって連携することで、初めて高い成果が得られます。
4.プロセスアプローチ導入時の失敗パターン5選
プロセスアプローチを導入する際に陥りやすい失敗パターンは、以下の5つに分類されます。
- プロセスの目的や成果が曖昧なまま運用している
- プロセス間の連携不足が成果に直結していない
- KPIを設定していない、または形だけで機能していない
- 責任者が不在、または責任と権限が不明確
- 教育や理解不足により現場に浸透していない
これらを見落としたまま進めてしまうと、仕組みが定着せず、逆に混乱を招いてしまうかもしれません。
それぞれの失敗パターンとその背景について、順番に説明していきます。
(1)プロセスの目的や成果が曖昧なまま運用している
プロセスの目的や成果がはっきりしないまま進めると、業務の方向性が定まらず、効果も見えにくくなります。
その結果、何のために作業をしているのか分からないまま仕事が続き、モチベーションの低下やミスの原因にもなりかねません。
例えば、「この資料は何に使うのか」「この作業のゴールは何か」がわからない状態では、品質も安定せず、改善も難しくなってしまいます。
また、成果を測定できなければ、努力が報われているかどうかも判断できません。
だからこそ、プロセスごとに「何のために行うのか」「どのような結果を出すのか」を明確にし、関係者全員で共有することが重要なのです。
(2)プロセス間の連携不足が成果に直結していない
プロセス同士のつながりが弱いと、どれだけ一つの作業がうまく進んでも、全体の成果にはつながりにくくなります。
プロセスアプローチでは、全体の流れとして仕事を考えることが基本です。
例えば、営業が受けた注文情報を製造部門が正しく把握していないと、間違った商品を作ってしまう可能性があります。
また、出荷チームが情報をもらえなければ、納品の遅れやトラブルが発生してしまうかもしれません。
このように、前後の連携ができていないと、ミスやロスが起きやすくなります。
プロセスごとに独立して考えるのではなく、互いの関係や影響を意識して設計、運用することが大切です。
(3)KPIを設定していない、または形だけで機能していない
KPI(重要業績評価指標)がなければ、プロセスの成果を正しく測ることができません。
また、KPIを設定していても数値を決めただけで運用されていない場合、その効果はほとんど期待できないでしょう。
納期を守ることが目的なのに、実際の納品日を記録していなければ、守れているかどうかが分かりません。
さらに、KPIを見直す機会がなければ、古い目標に合わせた無駄な作業が続いてしまうこともあります。
プロセスの有効性を確かめるためにも、KPIを正しく設定し、定期的に見直すことが欠かせないのです。
(4)責任者が不在、または責任と権限が不明確
プロセスに対して、誰が責任を持つのかがはっきりしていないと、問題が起きたときに誰も対応できず、混乱の原因となります。
また、責任はあっても、必要な権限が与えられていない場合、適切な判断や行動が取れないことも少なくありません。
例えば、クレーム対応の責任者が決まっていなければ、誰もお客様に連絡せず、信頼を失ってしまいます。
逆に、責任者がいても権限がなければ、判断が遅れたり、現場が動かなかったりするでしょう。
だからこそ、プロセスごとに責任と権限を明確にしておくことが重要なのです。
(5)教育や理解不足により現場に浸透していない
どんなに良い仕組みを作っても、現場の人たちが内容を理解していなければ、正しく運用されません。
また、教育の機会が少ないと、担当者によってやり方がばらばらになり、品質にも差が出てしまいます。
例えば、新しくプロセスを見直しても、担当者が、なぜ変わったのか、何を優先すべきかを知らなければ、従来のやり方のまま仕事を続けてしまう可能性があります。
その結果、ミスや手戻りが起こる原因につながるのです。
現場に浸透させるには、定期的な教育だけでなく、目的や背景をわかりやすく伝えることも大切です。
全員が納得して取り組める状態をつくることで、プロセスアプローチは効果を発揮していきます。
5.まとめ
今回は、プロセスアプローチについて、その基本的な考え方から導入の手順、失敗を防ぐためのポイントまで解説しました。
プロセスアプローチとは、業務を一連の流れとして見える化し、各プロセスの目的、インプット、アウトプット、責任を明確にすることで、全体の最適化と継続的な改善を実現する手法です。
記事内では、プロセスの定義と可視化、プロセス間の相互作用の理解、運営管理、そしてシステムとしての適用という導入の4ステップをご紹介しました。
この記事を通して、プロセスアプローチの本質と導入の実践ポイントを理解し、自社や現場で効果的に活用するキッカケとなれば幸いです。
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