2024年6月4日
SDGsに取り組まないことによるリスクは、社会からの信頼を失い、企業価値が下がることが考えられます。また、SDGsに取り組まない企業のリスクとして、環境問題や社会問題に対する企業の責任を果たせず、将来的にビジネスチャンスを逃す可能性も含まれます。
1.SDGsとは
SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。
SDGsは、社会・経済・環境に関する17のゴールと169のターゲットから成り立ち、2030年までに地球上のあらゆる課題を解決するための国際的な目標です。
なお、このSDGsの目標の達成には企業の貢献が必要不可欠となっています。企業の経済活動は社会や環境に大きな影響を与える存在であるため、企業がSDGsに取り組むことで、環境問題の解決や社会的な課題の改善につながるとされています。
2.世界と日本の達成度
(1)世界の達成度
SDGsは世界共通の達成目標となっています。そして、各国や地域がSDGsにどの程度取り組んでいるかを年に1回評価・分析し、「Sustainable Development Report」という報告書にまとめられます。
また、各国や地域のランキングも掲載されており、国際社会における持続可能な開発の進行状況を把握するための重要な資料となっています。
2023年6月に公開された「Sustainable Development Report 2023」では、166ヶ国がランキングの対象となりました。
世界全体での達成度は、進捗状況にはばらつきがありますが、全体的には遅れているとされています。
実際SDGs達成度のランキングで上位だった国は以下の通りです。
1位…フィンランド
2位…スウェーデン
3位…デンマーク
4位…ドイツ
5位…オーストリア
6位…フランス
7位…ノルウェー
8位…チェコ
9位…ポーランド
10位…エストニア
11位…イギリス
12位…クロアチア
13位…スロベニア
14位…ラトビア
15位…スイス
16位…スペイン
17位…アイルランド
18位…ポルトガル
19位…ベルギー
20位…オランダ
21位…日本
ランキング上位は北欧諸国が占める結果となりました。
北欧諸国はSDGsが採択される以前から、持続可能な社会への取り組みを行っており、環境保護、社会福祉、教育、ジェンダー平等など多くの分野で世界をリードしてきました。これらの取り組みはSDGsの目標とも一致しており、そのため北欧諸国はSDGsの達成に向けて高い評価を受けています。
2030年までに目標を達成するためには、より大きな取り組みが必要です。一部の目標は進展していますが、貧困、飢餓、教育、ジェンダー平等などの重要な分野ではまだ多くの課題が残っています。国や地域によっても達成度は異なりますが、全体的にはまだ多くの努力が必要です。
(2)日本の達成度
SDGsは世界共通の達成目標となっていますが、世界各国と比較して、日本の達成ランキングは2023年で21位となり、前年から2位下落した結果となりました。日本の課題としては主に以下3つがあげられます。
目標5「ジェンダー平等を実現しよう」 日本では女性の社会進出が進んでいますが、特に国会議員(衆院議員)の女性比率の低い点や、まだまだ男女間の賃金格差や管理職への昇進率などに課題があります。 | |
目標12「つくる責任、つかう責任」 日本では電子機器の廃棄量が増加傾向にあり、その適切な処理が求められています。また、プラスチックごみの輸出量も多く、これが海洋汚染などの環境問題を引き起こしていると指摘されています。 | |
目標13「気候変動に具体的な対策を」 日本は世界の主要な工業国の一つであり、化石燃料の燃焼やセメント製造などによる二酸化炭素(CO2)の排出量が多いという問題があります。 |
3.SDGsアクションプランについて
SDGsアクションプランとは、首相官邸のSDGs推進本部がSDGsを達成するために、各組織や企業が策定する具体的な行動計画のことを指します。具体的には、企業がSDGsに取り組むことで社会的な課題解決に貢献しつつ、新たなビジネスチャンスを見つけることができるという点が挙げられます。
また、企業の社会的責任(CSR)を果たすため、またステークホルダーからの信頼を得るためにもSDGsへの取り組みは重要とされています。
4.SDGsが世間で話題になっている理由は?
SDGsは、国連が2015年に採択した17の目標で、2030年までに貧困、飢餓、教育、ジェンダー平等、清潔な水、エネルギー、経済成長、産業、気候変動、平和など、世界の持続可能な発展に向けた包括的な目標です。
これらの目標は、世界中の人々の生活を改善し、地球環境を保護することを目指しており、世間で話題になっている理由は、世界中の人々が共通の目標に向かって協力し、持続可能な未来を築こうとする取り組みに対する関心が高まっているためです。
5.実際のところ、SDGsに取り組む企業は増えている?
SDGsは持続可能な社会を実現するための国際的な目標であり、企業活動においてもその取り組みが求められています。
企業がSDGsに取り組むことで、社会貢献活動を通じたブランドイメージの向上、新たなビジネスチャンスの創出、リスク管理の強化など、様々なメリットがあります。そのため、多くの企業がSDGsに取り組む動きを見せています。
6.なぜ大手の企業はSDGsを推進しているのか?
大手企業がSDGsを推進している理由はいくつかあります。
まず、社会的な課題解決に対する企業の責任感からです。企業はその活動を通じて社会に影響を与える存在であり、その影響力を使って社会的な課題解決に貢献することが求められています。
また、SDGsの取り組みは企業のブランドイメージ向上やリスク管理にも寄与します。さらに、SDGsに取り組むことで新たなビジネスチャンスを見つけることも可能です。これらの理由から、多くの大手企業がSDGsを推進しています。
7.ESG投資とSDGsの関係は?
ESG投資とは、企業の環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)への取り組みを評価し、その結果を投資判断に反映する手法です。
一方、SDGsは持続可能な社会を実現するための国際的な目標です。これらは密接に関連しており、ESG投資は企業がSDGsに取り組む動機付けとなり、SDGs達成に向けた企業の取り組みを投資家が評価する基準となります。
8.企業がSDGsに取り組まないことによるリスクは?
企業がSDGsに取り組まないと、社会的な信頼を失う可能性があります。なぜなら、現代社会では企業の役割が単に利益を追求するだけでなく、社会的な課題解決にも貢献することが求められているからです。
SDGsは社会的課題を具体的に示しており、それに取り組むことで企業が社会貢献を行っていることを示すことができます。
そのため、SDGsに取り組まない企業は社会貢献を怠っていると見なされ、社会的な信頼を失う可能性があります。
また、ESG投資の観点からも、環境や社会への配慮が不足していると評価され、投資を受けにくくなる可能性もあります。これらのチャンスを逃さないためには、SDGsに取り組み、持続可能な社会を目指す流れに乗ることが必要です。
9.SDGsに関連した企業のリスク対策
企業の持続可能性とSDGs達成は深く関連しており、短期的な利益追求よりも長期的な視野が必要です。
例えば、石炭事業や過剰な漁業は短期的な利益をもたらすかもしれませんが、地球温暖化や生物種の絶滅といった長期的なリスクが潜んでいます。これらのリスクを避け、長期的な利益を追求するためには、再生可能エネルギーの開発や一時的な禁漁など、初期コストがかかる行動を取ることが必要です。これがSDGs達成に繋がり、企業の持続可能性を高めます。
また、SDGsの17のゴールは、企業のリスク管理に重要な示唆を含んでいます。
SDGsに反する行動をとる企業は、社会的な評価が下がるリスクがあります。
一方で、SDGsに沿った事業活動を行い、それを積極的にアピールすることで、企業価値を向上させるチャンスがあります。
また、SDGsへの取り組みは大企業だけでなく、中小企業や地方企業にも重要で、特に人材確保に悩む企業はSDGsに真剣に取り組むべきです。優秀な人材は、企業のSDGsへの取り組みを評価し、それを選択基準にしています。
まとめ
SDGsは、企業にとって重要な取り組みです。これは、社会的な課題解決を通じて企業価値を高めるため、また、企業の持続可能性を保証するためです。
SDGsに取り組まない企業は、投資家や消費者からの信頼を失うリスクがあります。また、社会的な課題が解決されず、企業のビジネス環境自体が悪化する可能性もあります。したがって、SDGsへの取り組みは、企業の長期的な成功にとって不可欠です。企業は、SDGsをビジネス戦略に組み込むことで、社会的価値と経済的価値の両方を実現しましょう。
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