2025年12月25日

目次
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- 1.ISO9001の適用範囲とは何か
- (1) 適用範囲の定義
- (2) 適用範囲の文書化
- 2.グループ会社における適用範囲の設定方法
- (1) 関連会社が品質に関わる業務を行っている場合
- (2) 個人事業主でありながら、実質的にグループの一部として機能している場合
- (3) 資本関係はないが業務連携のある会社が適用範囲に関わる場合
- (4) 関連会社が経理など間接業務を担当している場合
- (5) 関連会社が適用範囲に関わる業務を行っていない場合
- 3.グループ認証(団体認証)の活用
- (1) グループ認証とは
- (2) グループ認証のメリット
- (3) グループ認証の注意点
- 4.適用範囲の決定に向けた実践的なポイント
- (1) 組織のビジネスモデルを理解する
- (2) 関連法規や顧客要求事項の確認
- (3) 社内外のステークホルダーと協議する
- (4) 適用除外の正当化を丁寧に行う
- 5.まとめ
ISO9001の認証取得を検討する際、特に複数のグループ会社を抱える企業にとって「どの範囲を適用対象にすべきか」は大きな悩みの種となります。
品質マネジメントシステム(QMS)は組織の品質向上に直結する重要な仕組みですが、その適用範囲の設定が曖昧だと、認証取得後に運用がうまくいかず、品質改善効果が薄れてしまうこともあります。
ISO9001では、組織自身が自らのQMSの適用範囲を決定し、文書化することが必須とされています。適切な範囲設定は、QMSの有効性を高めるだけでなく、監査時の妥当性確認や顧客・認証機関に対する説明責任を果たすためにも非常に重要です。
本記事では、ISO9001の適用範囲の基本的な考え方から、特にグループ会社を含めた適用範囲の設定方法、さらにグループ認証のメリットと注意点に至るまで具体的に解説します。
読み終えれば、グループ会社を持つ企業がISO9001の認証取得を進める上で、どのように適用範囲を決め、グループ認証を活用すべきかが明確になります。
1.ISO9001の適用範囲とは何か

(1) 適用範囲の定義
ISO9001の適用範囲とは、組織が自らの品質マネジメントシステムを適用する範囲を指します。
これは単に「どの事業部が対象か」というだけでなく、対象となる製品やサービスの種類、提供する拠点の所在地、さらには関連する業務プロセスの範囲に至るまで、多角的に定義されます。
例えば、製造業の場合は、製造ラインだけでなく、設計、調達、物流、カスタマーサービスなども含めるケースがあります。
サービス業でも、顧客対応の窓口や品質保証に関わるバックオフィス業務などが適用範囲に含まれることがあります。
(2) 適用範囲の文書化
ISO9001では、適用範囲の文書化を義務付けています。
つまり、どの製品やサービスを対象にしているか、どの拠点や業務が含まれているか、また適用除外があればその正当な理由も記述しなければなりません。
この文書は内部だけでなく、認証機関や顧客にも示されることが多く、透明性を担保する重要な資料となります。
適用範囲の曖昧さは認証審査で指摘されやすいポイントでもあるため、具体的かつ明確に記述することが求められます。
2.グループ会社における適用範囲の設定方法
複数のグループ会社を持つ場合、適用範囲の設定は単一企業とは異なる複雑さがあります。以下のようなパターンに分けて考えると分かりやすいでしょう。
(1) 関連会社が品質に関わる業務を行っている場合
関連会社が製品やサービスの品質に直接関わる業務を担当しているケースでは、その会社も適用範囲に含めるのが一般的です。
例えば、設計部門や製造拠点を複数の会社で分担している場合、一部だけ除外すると品質管理にムラが生じ、QMSの効果が薄れる恐れがあります。
関連会社も適用範囲に含めることで、グループ全体で統一された品質基準を適用できるため、顧客満足の向上やクレーム対応の迅速化など、さまざまなメリットが期待できます。
(2) 個人事業主でありながら、実質的にグループの一部として機能している場合
登記上は個人事業主であっても、給与支払いや資金の流れがグループ会社に一元化されているケースでは、組織を一体として捉え、認証範囲に含めることが可能です。
ただし、認証書の記載方法や監査体制の運用に工夫が必要となるため、専門家とよく相談しながら進めることをおすすめします。
(3) 資本関係はないが業務連携のある会社が適用範囲に関わる場合
グループ外の協力会社であっても、品質に関わる重要な業務を担っている場合、ISO9001認証に組み込むことができます。
例えば、部品の検査や特定のサービスを請け負う会社が対象になりますが、監査や是正措置の管理方法を事前に明確にし、個別管理か一括管理かを決定しておくことが重要です。
(4) 関連会社が経理など間接業務を担当している場合
一見すると品質マネジメントとは無関係に思われがちな経理業務ですが、内部統制や文書管理などの観点でQMSに関わる重要な業務とみなされることもあります。
特に、経理業務が業務プロセス全体の品質に影響を及ぼすような場合は、経理担当の関連会社も適用範囲に含めるケースが増えています。
(5) 関連会社が適用範囲に関わる業務を行っていない場合
関連会社が品質に直接関わる業務を担当していない場合、その会社を認証の適用範囲に含める必要はありません。
ただし、認証取得の目的を踏まえ、どの業務で品質マネジメントを強化したいのかを明確にしたうえで、適用範囲を設定することが望まれます。
3.グループ認証(団体認証)の活用
(1) グループ認証とは
グループ認証(団体認証)とは、複数の関連会社をまとめて一つのISO認証を取得する仕組みです。
ISO規格上、会社が別法人であってもグループとしての一括認証が認められており、近年この方式を選ぶ企業が増えています。
グループ認証は認証の一体管理を促進し、企業グループ全体の品質レベルを均一化しやすくします。
(2) グループ認証のメリット
① コスト削減
個別に認証取得する場合、コンサルティング費用や審査費用が会社ごとに発生しますが、グループ認証ではこれらの費用をまとめて管理でき、グループ全体でのコスト負担が軽減されます。
② 一貫した品質管理の実現
グループ全体で共通の品質方針やリスク管理手法を適用できるため、品質のバラツキが減少し、安定的な製品・サービス提供が可能となります。
③ サプライチェーンマネジメントの最適化
関連会社や下請け企業を含めた一体的な管理により、サプライチェーン全体の品質と情報セキュリティリスクを効果的にコントロールできます。
④ 社会的信頼性の向上
JAS-ANZ(日本認証機構)など国際的に認められたグループ認証は、取引先や顧客に対し強い信頼を与え、競争力強化につながります。
(3) グループ認証の注意点
① マネジメントシステムの統一
グループ全体で共通のマネジメントシステムを構築し、運用する必要があります。各会社の独自色を強く残すと管理が煩雑化しやすいため、統一基準の策定が重要です。
② 監査負荷の増大
監査範囲が広くなるため、グループ全体を見渡せる監査体制を整備し、担当者の専門性も高める必要があります。
③ 個別のリスク管理
各会社ごとのリスク特性や業務内容に応じて柔軟にリスク管理計画を策定し、グループの枠組みに適切に反映させる必要があります。
4.適用範囲の決定に向けた実践的なポイント
(1) 組織のビジネスモデルを理解する
適用範囲設定の第一歩は、自社グループのビジネスモデルや業務プロセスを詳細に把握することです。
どの会社がどのような役割を果たし、どの業務が品質に直接影響するかを明確にしましょう。
(2) 関連法規や顧客要求事項の確認
特に業種によっては、関連法規や顧客からの品質要求が厳しい場合があります。
これらの要求を満たす範囲を漏れなく網羅することで、認証後の不備リスクを抑制できます。
(3) 社内外のステークホルダーと協議する
経営層、現場担当者、認証機関、顧客など、関係者の意見を収集しながら適用範囲を固めていきましょう。
幅広い合意を得ることが、スムーズな運用開始に繋がります。
(4) 適用除外の正当化を丁寧に行う
もし業務の一部を適用範囲から除外する場合は、その理由を論理的かつ客観的に説明できるようにしましょう。
「適用除外」が認められないケースもあるため、除外範囲の決定は慎重に行う必要があります。
5.まとめ
ISO9001の適用範囲は、グループ会社の業務内容や品質管理の実態を踏まえて慎重に決定すべき重要事項です。関連会社の役割が品質に深く関わる場合は、積極的に適用範囲に含めることがQMSの有効性向上に繋がります。グループ認証を活用すると、コスト削減や品質の均一化、社会的信用の向上など多くのメリットがありますが、統一した運用体制と監査体制の構築が必須です。適用範囲の決定には、組織内外の関係者と密に連携し、法令遵守や顧客要望に適合した形で文書化・運用していくことが成功の鍵となります。
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