2026年3月4日

社内で取り扱う化学物質や危険物の取り扱いはどのようにしていますか?
実はISO14001では環境関連の法令等で要求される事項について、組織の中で該当するものを洗い出す必要があるとされております。
どの業種、どの地域でも守るべき法令の一つとして消防法が挙げられます。
消防法をきちんと理解、順守することで、リスクへの備えができます。
ここでは消防法がどういったもので、自社に置き換えたときの考え方や順守すべき内容のポイントをご紹介します。
読み終えて頂ければ、ISO14001に沿った消防法順守がどれだけ大切かがお分かりになると思います。
1.消防法とは?

消防法とは、火災の予防等により、国民の生命等を火災から保護するとともに、災害発生での被害を軽減して社会公共の福祉の増進に貢献するために制定されたものです。
消防法のポイントとして大きく4つ挙げることができます。
- 消防法の基礎
- 火災予防のために事業者がすべきこと3つ
(設置するべきもの・防火管理者の設置・届け出義務) - 消防法における定期点検
- 消防法における危険物
ここに挙げたポイントを順番に解説していきます。
2.消防法の基礎
消防法は、すべての建築物に適用され、管理者に消防用設備の設置と定期点検を義務付けています。そのため、関係ないと言い切れる事業者はほぼいないでしょう。
消防法は、法律の中でも柔軟性が高く、頻繁に改訂されます。これは、これまでにさまざまな火災事故が発生してきたことが一因と言えます。
建築物の管理者がこれを順守することは、法的義務だけではありません。安全な社会を維持するために果たすべき責任です。
3.火災予防のために事業者がすべきこと3つ
事業者がすべきこととして、大きくわけて3つあります。
(1) 設置するべきもの
①消火設備
- バケツ
- 消火器
- スプリンクラーなど
②警報設備
- 自動火災報知機
- 漏電火災警報器など
③その他避難器具
- 避難はしご
- 救助袋
- 誘導灯など
これらの設備や器具は、政令で定められたものである必要があります。
例えば、消火器には有効期限があります。古いものは消防に連絡して買い替えることができるため、定期的に確認することが必要です。
(2) 防火管理者の設置
学校や病院など、公共性の高い施設や多くの人が利用する場所には、専門的な研修を受けた「防火管理者」を置く義務があります。
以下の記載に該当する施設の管理者は、防火管理者を定め、所轄の消防署に届け出をすることが求められます。
【防火管理者の設置が必要な施設】
- 学校
- 病院
- 工場
- 事業場
- 興行場
- 百貨店(大規模な小売店舗を含む)
- 複合用途防火対象物
- その他多数の者が出入し、勤務し、又は居住する防火対象物で政令で定めるもの
上記に加えて、特に高層建築物を含む大規模施設では、さらに包括的な役割を担う「統括防火管理者」も求められます。
防火管理者を設置することは、施設の安全性を高め、火災のリスクを低減させるために欠かせないものです。
(引用:e-GOV 法令検索 消防法 閲覧日:2025年9月25日)(3) 届け出義務
建物や建物の一部をこれから使用しようとする方は、消防署への届け出を使用開始の7日前までにする必要があります。
届出先は防火対象物を管轄する消防署になります。
4.消防法における定期点検
火災を防ぎ安全を保つ上で重要なことが「定期点検」です。
消防法第八条(令和7年6月1日 施行)で定められています。
- 半年ごとの機器点検
- 年に一度の総合点検
この2種類について、資格を持つ専門家からの点検を定期的に受ける義務があります。
また、対象となる建物の条件は以下の通りです。
- 延べ面積1,000㎡以上の特定防火対象物
不特定多数の人が出入りする場所を指します。
例)映画館、飲食店、旅館、ホテル、病院
- 延べ面積1,000㎡以上の非特定防火対象物で、消防長または消防署長が指定するもの
例)小学校、中学校、高等学校、図書館、神社、寺院、工場
- 特定一階段等防火対象物
不特定多数の人が出入する場所が1・2階以外の階にあり、火災になった際に避難に支障をきたす部分がある建物を指します。
例)遊技場、キャバレー、飲食店、物品販売店舗
5.消防法における危険物
消防法では、火災発生の原因となる可能性が高いものを「危険物」として定め、指定する場所以外での取り扱いを禁止しています。
これらのものを消防法で危険物と定めています。
| 類別 | 性質 | 品名 |
|---|---|---|
| 第一類 | 酸化性固体 | 一 塩素酸塩類 二 過塩素酸塩類 三 無機過酸化物 四 亜塩素酸塩類 五 臭素酸塩類 六 硝酸塩類 七 よう素酸塩類 八 過マンガン酸塩類 九 重クロム酸塩類 十 その他のもので政令で定めるもの 十一 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの |
| 第二類 | 可燃性固体 | 一 硫化りん 二 赤りん 三 硫黄 四 鉄粉 五 金属粉 六 マグネシウム 七 その他のもので政令で定めるもの 八 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの 九 引火性固体 |
| 第三類 | 自然発火性物質及び禁水性物質 | 一 カリウム 二 ナトリウム 三 アルキルアルミニウム 四 アルキルリチウム 五 黄りん 六 アルカリ金属(カリウム及びナトリウムを除く。)及びアルカリ土類金属 七 有機金属化合物(アルキルアルミニウム及びアルキルリチウムを除く。) 八 金属の水素化物 九 金属のりん化物 十 カルシウム又はアルミニウムの炭化物 十一 その他のもので政令で定めるもの 十二 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの |
| 第四類 | 引火性液体 | 一 特殊引火物 二 第一石油類 三 アルコール類 四 第二石油類 五 第三石油類 六 第四石油類 七 動植物油類 |
| 第五類 | 自己反応性物質 | 一 有機過酸化物 二 硝酸エステル類 三 ニトロ化合物 四 ニトロソ化合物 五 アゾ化合物 六 ジアゾ化合物 七 ヒドラジンの誘導体 八 ヒドロキシルアミン 九 ヒドロキシルアミン塩類 十 その他のもので政令で定めるもの 十一 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの |
| 第六類 | 酸化性液体 | 一 過塩素酸 二 過酸化水素 三 硝酸 四 その他のもので政令で定めるもの 五 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの |
6.まとめ
ここまでお読みいただいた皆様には、消防法の順守規定について十分にご理解いただけたのではないでしょうか。
今回は、ISO14001で求められる順守義務の一例として消防法を取り上げて解説しました。消防法は、法令を順守するだけでなく、社会全体の安全を守るために欠かせない重要な要素の一つです。
火災予防のために事業者がするべき義務を果たし、環境の整備、危険物の取り扱いに注意していきましょう。
自社の定期点検のスケジュールがどのようになっているかぜひ把握してください。
消防法は必ずどの事業者も守るべき法令であり、業種によっては内容が多種にわたる場合もあります。
自治体ごとに異なる取り決めもあるため、今一度自社がおかれている環境を確認し、順守評価で定期的に見直すようにしましょう。
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