2026年3月12日

ISO14001では、法的要求事項の特定と順守評価が必須です。特にコンプレッサー使用時の騒音・振動対策は、環境法令の順守において見落とされがちな重要項目です。
対策方法や気を付けるべき法令にはどのようなものがあるのでしょうか。
この課題解決ができれば、さらにコンプレッサー活用の幅が広がります。
今回は特に25kwコンプレッサーに着目し、「騒音規制法」や「振動規制法」など、具体的に対策すべき法的項目を解説します。
読み終えて頂ければ、環境面の要求事項をクリアしながら正しく25kwコンプレッサーを利用できるでしょう。
1.コンプレッサー使用時の法的対策は
ISO14001において25kwコンプレッサーを使用する際に気を付ける法令として、労働安全衛生法、騒音規制法、振動規制法が挙げられます。
法令では、騒音と振動が規制されていますが、その規制は時間・区域で定められています。
騒音規制法では、機械プレスや送風機など、著しい騒音が発生する施設であって政令で定める施設を設置する工場・事業場が規制対象となっています。
地域によっては、特定の施設を設置等しているものは届出をしなければならない場合があります。そして、この特定施設(機器)にコンプレッサーが含まれています。
順番に確認をしていきましょう。
(1)労働安全衛生法
労働安全衛生法とは、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的としています。
この中には、ボイラーや圧力容器に関する災害を防止するために、必要な事項の詳細を定めた「ボイラーおよび圧力容器安全規則」があります。
圧力容器には第一種圧力容器と第二種圧力容器の2種類があります。
第一種圧力容器
五 第一種圧力容器 次に掲げる容器(ゲージ圧力〇・一メガパスカル以下で使用する容器で、内容積が〇・〇四立方メートル以下のもの又は胴の内径が二百ミリメートル以下で、かつ、その長さが千ミリメートル以下のもの及びその使用する最高のゲージ圧力をメガパスカルで表した数値と内容積を立方メートルで表した数値との積が〇・〇〇四以下の容器を除く。)をいう。
イ 蒸気その他の熱媒を受け入れ、又は蒸気を発生させて固体又は液体を加熱する容器で、容器内の圧力が大気圧を超えるもの(ロ又はハに掲げる容器を除く。)
ロ 容器内における化学反応、原子核反応その他の反応によつて蒸気が発生する容器で、容器内の圧力が大気圧を超えるもの
ハ 容器内の液体の成分を分離するため、当該液体を加熱し、その蒸気を発生させる容器で、容器内の圧力が大気圧を超えるもの
ニ イからハまでに掲げる容器のほか、大気圧における沸点を超える温度の液体をその内部に保有する容器
引用:法令検索
第二種圧力容器
七 第二種圧力容器 ゲージ圧力〇・二メガパスカル以上の気体をその内部に保有する容器(第一種圧力容器を除く。)のうち、次に掲げる容器をいう。
イ 内容積が〇・〇四立方メートル以上の容器
ロ 胴の内径が二百ミリメートル以上で、かつ、その長さが千ミリメートル以上の容器
引用:法令検索
コンプレッサーは空気タンクの容量によって第二種圧力容器に該当するかどうかがわかります。
該当するものを使用する場合、自主検査が必要となります。
(定期自主検査)
第八十八条 事業者は、第二種圧力容器について、その使用を開始した後、一年以内ごとに一回、定期に、次の事項について自主検査を行なわなければならない。ただし、一年をこえる期間使用しない第二種圧力容器の当該使用しない期間においては、この限りでない。
一 本体の損傷の有無
二 ふたの締付けボルトの摩耗の有無
三 管及び弁の損傷の有無
2 事業者は、前項ただし書の第二種圧力容器については、その使用を再び開始する際に、同項各号に掲げる事項について自主検査を行なわなければならない。
3 事業者は、前二項の自主検査を行なつたときは、その結果を記録し、これを三年間保存しなければならない。
引用:法令検索
(2)騒音規制法
この法令は、「工場及び事業場における事業活動並びに建設工事に伴って発生する相当範囲にわたる騒音について必要な規制を行なうとともに、自動車騒音に係る許容限度を定めること等により、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的」としているものです。
引用:法令検索
コンプレッサーを使用する際には、周囲の環境に影響を及ぼさないように音に注意して扱う必要があります。
機械プレスや送風機など、「特定施設」と呼ばれる騒音発生施設を設置する工場・事業場が規制対象となります。
(3)振動規制法
この法律は、「工場及び事業場における事業活動並びに建設工事に伴つて発生する相当範囲にわたる振動について必要な規制を行うとともに、道路交通振動に係る要請の措置を定めること等により、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的とする。」
引用:法令検索
振動規制法も、先に記述した騒音規制法と目的や規制の枠組みが近い内容ですが、今回は「振動」についての規制となります。
騒音規制法と同じく、原動機の定格出力が7.5kW以上のコンプレッサー(この法律では「圧縮機」が特定施設に該当) が規制対象です。
近年の改正により、一定の基準を満たす「低振動型」として環境大臣が指定した圧縮機 は、この特定施設から除外され、規制対象外となります。お使いの25kwコンプレッサーがこれに該当するか確認が必要です。
2.都道府県によって規制は異なる

法律では7.5kw以上のコンプレッサーが規制の対象となっています。
騒音・振動規制法では、環境大臣が定める許容限度があり、その運用(地域指定や上乗せ規制)が自治体(都道府県知事/市町村長)に委ねられています。
該当するコンプレッサーの設置にあたっては、所轄の市町村の公害担当窓口を通じて都道府県知事に届出をする必要があります。各地域のHP等で確認ができるので、ぜひ確認してみてください。
(1)設置工事の開始・変更は30日前まで
必要な届出書類には下記があります。
- 氏名(代表者)または名称および住所
- 工事または事業場の名称および所在地
※上記2項目の変更の届出は、変更後30日以内です。
- 特定施設の種類および能力ごとの台数
- 騒音(振動)の防止の方法
- 特定施設の配置図、その他総理府令で定める書類
これらの書類を揃えて、早めの届出をしましょう。
(2)届出を行わないと起こること
届出義務に違反した者は、騒音規制法・振動規制法により罰金または懲役に処せられることがあります。書類作成が難しい場合は行政書士へ依頼して作成することも可能です。
3.設置と使用の際の注意点
特定施設である25kWコンプレッサーは、敷地境界線上での騒音・振動が地域の基準値以下 であることを厳守しなければなりません。
この法令順守に加え、安全とコンプレッサーの寿命を確保するために、設置・使用時は以下の点にも注意が必要です。
(1)設置は室内に!
室内で湿気の少ない場所に設置をしましょう。
雨水の影響や湿気の多い場所では、漏電、火災が起こる可能性があります。
(2)周囲のガスに注意
可燃物である爆発性ガス、引火性ガスがない場所に設置することが大切です。
(3)周囲の温度は0~40℃がおすすめ
0℃以下の使用は、圧縮機構部に作動不良が発生する原因にもなります。
40℃以上の使用では劣化やピストンリングの摩耗を早め、寿命低下や破損事故の原因となることがあります。また、腐食性ガスにも影響を受けるため十分な換気をしてください。
4.設置後は点検を
現場で日々活躍するコンプレッサーは、定期点検と日常のメンテナンスも重要です。
定期点検は事故防止、維持費削減にも繋がります。
点検項目はこれらのことが挙げられます。
- 外観の点検:損傷、漏洩、異音がないか確認します。
- 油量の確認:オイルレベルが適正範囲にあるか確認します。
- 温度の確認:運転中の温度が異常でないか確認します。
- 圧力の確認:運転圧力が設定値通りになっているか確認します。
- ベルトの張り具合:ベルトが緩んでいないか、切れたりしないか確認します。
- 軸受けの潤滑:軸受けに十分な潤滑油が供給されているか確認します。
- 冷却水の状態:汚れやスケールがないか確認します。
引用:コンプレッサーの点検項目について
日常からのメンテナンスで事故防止、維持費削減をしましょう。この適切な保守管理は、コンプレッサーの騒音・振動レベルを安定させ、ISO14001で求められる法的要求事項の継続的な順守にも繋がります。
5.まとめ
25kwコンプレッサーは法律の規制対象となります。
このコラムをここまで読まれた方は、法的対策と安全な環境で使用するための注意点をご理解頂けたかと思います。
対策するべきことは大きくこちらの3つがあります。
- 事前準備(届出書類): 設置30日前までの届出、安全のためのボイラー則に基づく届出が必要です。
- 地域ごとに異なる規制の理解:環境大臣が定める許容限度があり、その運用(地域指定や上乗せ規制)が自治体(都道府県知事/市町村長)に委ねられています。各地域のHP等で確認ができます。
- 設置場所:室内で湿気が少なく、可燃物である爆発性ガス、引火性ガスがない場所に設置しましょう。
上記を踏まえて、適切な環境でコンプレッサーを使用しましょう!
ISO・Pマーク(プライバシーマーク)の認証・更新も安心
認証率100% ✕ 運用の手間を180時間カット!
信頼の「認証パートナー」が無料相談を受付中!
一目でわかる
認証パートナーのサービス紹介資料
8,000社以上の支援実績に裏付けされた、
当社サービスの概要を紹介しております。
資料の内容
- ・当社の『サポート費用・内容』
- ・取得までの『スケジュール』
- ・コンサル会社を選ぶ際の『ポイント』
- ・認証パートナーと『他社との違い』
- ・お客様のお声
ISO14001認証パートナー
サービスのご案内
認証パートナーの専門コンサルタントが御社の一員となって事務局業務を行います。
お客様の作業は審査機関との窓口役だけ。それ以外はすべてお任せください。
-
Pマーク
個人情報保護マネジメントシステム
高い保護レベルの個人情報保護マネジメントシステムを確立し、運用していることを示します。
認証パートナーなら、個人情報漏えい防止の観点も踏まえたサポートを実現します。Pマークの認証ページへ -
ISO9001
品質マネジメントシステム
品質マネジメントシステムは一貫した製品・サービスを提供し、顧客満足を向上させるための規格です。
認証パートナーなら、負担が増える形だけのISOではなく、より現場の実態に沿ったISOを実現します。ISO9001の認証ページへ -
ISMS・ISO27001
情報セキュリティマネジメントシステム
情報セキュリティマネジメントシステムは企業・組織の情報を守る規格です(ISMSとISO27001は同義)。
認証パートナーなら、情報セキュリティリスクへの対応計画、緊急時の対応計画踏まえPDCAサイクル回せるような仕組み作りを実現します。ISMS/ISO27001の認証ページへ -
ISO14001
環境マネジメントシステム
環境マネジメントシステムは環境を保護し、変化する環境状態に対応するための組織の枠組みを示します。
認証パートナーなら、課題になりがちな環境法令の対応についても一緒にサポート致します。ISO14001の認証ページへ -
ISO27017など各種対応規格
ISO27017やISO22000など各種規格もお得に 新規取得や運用・更新ができます。ご気軽にお見積りください。
ISO27017など各種対応規格ページへ -
複数規格の同時取得
ISOやプライバシーマークを同時に認証取得すると費用や工数を抑えることができます。安心してご相談ください
複数規格の同時取得ページへ
- © 2022 Three A Consulting Co., Ltd.







