2019年6月15日
今回はISOの審査機関移転について、お話させていただこうと思います。
このページを見られているということは、皆さんISO9001(QMS)、ISO14001(EMS)、ISO27001(ISMS)のいずれかの審査を一度は受けたことがある、またはこれから受けられる方が多いのではないでしょうか?
そのISO9001、ISO14001、ISO27001の審査をしてくれる審査機関ですが、取得してからずっと同じ審査機関に審査をしていただいているのではないでしょうか?
実はこの審査機関は変更することが可能なのです。しかもとても簡単に。この審査機関を変えてもよいという事実を知らない人も多いのではないかと思います。そしてこの審査機関を見直すという行為はメリットが非常に大きいという要素を含んでいます。
そこで今回は審査機関の移転に関する様々な疑問にお答えしていこうと思います。
審査機関の移転に関するQ & A
Q.1 ISOの審査機関は移転できるの?
はい、できます。
ISOの本部はスイスのジュネーブにあるのですが、本部だけで世界中の企業をみることはできないので各国に認定機関というものを置いています。日本では公益財団法人 日本適合性認定協会:JAB(http://www.jab.or.jp/)、イギリスではUKASなどがそれにあたります。
さらにそこから認証を受けたところが皆様の企業に審査に伺う審査機関ということです。JABに登録されている審査機関だけでも60前後の審査機関があると言われております。その60前後の審査機関、どこでISOを認証してもよいのです。
Q2.ISOの審査機関移転のメリットは?
まず1番わかりやすいのは審査費用です。
ISOの審査費用は、規模や業種によって一律ではなく、審査機関によって審査工数や費用がバラバラです。中には2倍から3倍、審査費用が変わるというところもあるそうです。
次に審査の考え方や手法というのも審査機関によって異なります。書類中心の審査を行うところもあれば、現場中心の審査を行うところもあります。
例えば御社「実務をそのまま見てほしい」という要望があったとします。それにもかかわらず、審査機関が『書類や記録類を重視する』というタイプだとしたらどうでしょうか?御社の方向性と違った審査の方向性になり、当然ですがムダな指摘が増えます。
審査を通して、ムダな指摘が増えないことで、御社の活動にムダがなくなり、よりスムーズな活動が推進できます。
Q3.ISOの審査機関移転のデメリットは?
審査機関が移転されると認証機関のマークが変更されます。つまり、名刺や会社案内等の印刷物、ホームページにてマークを使用している場合は変更しなければならなくなります。
ただし逆をいうとそれぐらいしか審査機関を移転するデメリットはありません。
Q4.ISOの審査機関にブランドやマークの価値に違いってあるの?
審査機関にブランドやランクはあるのか?という疑問にもぶつかると思います。
お答えすると答えはNoです。
前述したとおり、ISOは本部から各国の認定機関、そして審査機関へと委託をしているかたちです。ですので、あの審査機関の方が質がよいといった差は生まれないのです。
Q5.ISOの審査機関移転はお金がかかるの?
かかりません。別途費用はかからず審査機関の移転は行うことができます。
Q6.なぜみんな移転をしないの?
審査機関を移転できると知らないというのが一番だと思われます。
または他の審査機関の情報は、自分から情報を集めるなど動かない限り手に入りにくいです。それにより、ISOの審査機関を移転しようとは思わないため、移転をしないのだと思われます。
Q7.今の審査機関、審査員に慣れてきたので変更したくないんだけど。
審査員に依存することはデメリットも非常に大きいです。いまの審査員は必ず今後もずっと来てくれるわけではありません。むしろ同じ審査員が継続で審査に行くことは基本的には正しい審査ではありません。
審査員に依存するのではなく、「方向性がしっかりしている審査機関」を選ぶことで、御社と同じ方向性の審査機関を選ぶことが本業にあった運用につながります。
Q8.審査機関を変えたら審査にうかりにくくなるのでは?
審査機関は基本的に登録企業を落とすようなことはしません。
どの審査機関も同じように規格要求事項との適合性で御社の課題を見つけてくれます。安心して審査機関を変更してください。
最後に
いかがでしたでしょうか?
審査機関を見直すという行為はメリットが非常に大きいということが理解していただけたと思います。見積もりだけでもとってみて、検討の材料にしていただけたらと思います。
弊社にご相談いただけたら、御社の要望に合わせた審査機関をご紹介することは可能です。その際はお気軽にご相談ください。
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