情シス代行のメリット・デメリット|対処法もあわせて解説
2026年11月5日

目次
もっと見る
情シス代行のメリット・デメリットを調べても、良い面ばかりが並んでいて判断しにくいと感じていませんか。社内で導入を提案する立場であれば、上司や経営層の懸念にも答えられる材料が必要です。
本記事では、情シスの外注(情シス代行)のメリットとデメリットを整理します。情シス代行を提供する当社の実務も参考に、デメリットへの対処法や、自社に向いているかを判断する観点まで解説します。
1.情シス代行のメリット・デメリットは?

⑴メリットとデメリットの比較表
結論から言うと、情シス代行は「人手不足や属人化を解消し、事業継続性を高められる」手段です。一方で、「ノウハウが社内に残りにくい」「費用が継続する」といったデメリットもあります。
大切なのは、どちらか一方だけで判断しないことです。まずは全体像を一覧で確認しましょう。
| 区分 | 項目 | 内容の要約 |
|---|---|---|
| メリット | 採用せずに体制を整えられる | 採用・育成の手間をかけずに、必要なスキルを持つ体制を確保できる |
| メリット | 属人化を解消できる | 担当者に依存した業務を、文書化とチーム対応で標準化できる |
| メリット | 専門性の高い対応を受けられる | セキュリティやインフラなど、社内で手が回りにくい領域をカバーできる |
| メリット | 担当者が企画業務に時間を使える | 定型作業を任せ、IT戦略や業務改善に注力できる |
| メリット | 休暇・退職時も業務が止まらない | 担当者が不在でも、問い合わせ対応や運用を継続できる |
| デメリット | 社内にノウハウが蓄積しにくい | 作業を外部に任せる分、知見が社内に残りにくい |
| デメリット | 社内事情の把握に時間がかかる | 業務フローや独自ルールを理解してもらうまでに一定の期間が必要 |
| デメリット | 対応範囲外の業務が社内に残る | 契約範囲に含まれない業務は、社内で対応する必要がある |
| デメリット | 費用が継続的に発生する | 費用が発生し続け、効果が見えにくいと負担感が出やすい |
デメリットの多くは、契約内容や社内体制を事前に工夫することで軽減できます。具体的な対処法は後ほど4章で解説します。
2.情シス代行の5つのメリット
⑴採用せずに体制を整えられる
情シス人材の採用は長期化しやすく、採用後の育成にも手間がかかります。採用するにはコストが見合わず、総務や経理が片手間で見ているという会社も少なくありません。
情シス代行なら、PCキッティング(業務用PCの初期設定)やアカウント管理などの実務を、経験のあるチームに任せられます。経営層には「採用・育成のリスクを抑えつつ、必要な体制を早期に確保できる」と伝えると納得を得やすいでしょう。
⑵属人化を解消できる
ひとり情シスの会社では、この設定は担当者しか分からないという状況が起こりがちです。属人化とは、業務の進め方や知識が特定の人に依存している状態を指します。
情シス代行では、作業手順や設定情報を文書化しながら運用するケースが多くあります。外部の視点で業務を棚卸しすることで、暗黙知になっていた作業が見える化される効果も期待できます。
⑶専門性の高い対応を受けられる
情シス業務には、ネットワーク、クラウドサービス、セキュリティ対策など幅広い知識が求められます。特にセキュリティは、中小企業でも無関係ではありません。
警察庁の「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」では、ランサムウェア被害の報告件数は中小企業が大企業を上回っています。
1人の担当者がすべてに精通するのは簡単ではありません。外部の専門家に相談できる体制があれば、端末のセキュリティ設定やアクセス権限の見直しなど、判断に迷う作業も進めやすくなります。
⑷担当者が企画業務に時間を使える
社内の情シス担当者は、ヘルプデスク(社員からのIT関連の問い合わせ窓口)やアカウント発行などに時間を取られがちです。その結果、業務システムの見直しやDX推進が後回しになります。
定型作業を外部に任せれば、担当者は何を導入しどう活用するかを考える業務に時間を割けます。経営層には、IT投資の効果を高めるための体制づくりとして説明できます。
⑸休暇・退職時も業務が止まらない
担当者が1人だけの場合、休暇や急な病欠、退職によってIT運用が止まるリスクがあります。退職時に設定も履歴も引き継がれず、何がどうなっているか分からなくなるケースもあります。
情シス代行を利用していれば担当者が不在でも問い合わせ対応や定常運用を継続しやすくなります。事業継続性(BCP)の観点からも経営層に説明しやすいメリットです。
3.情シス代行の4つのデメリット
導入を判断するうえで、デメリットを正しく把握しておくことは欠かせません。ここでは、実際に起こりやすい4つのデメリットを率直に解説します。
⑴社内にノウハウが蓄積しにくい
作業を外部に任せると、社内の担当者が手を動かす機会が減ります。そのため、「なぜこの設定にしているのか」「トラブル時にどう対処するのか」といった知見が社内に残りにくくなります。
放置すると委託先への依存度が高まり、契約の見直しや内製化の判断が難しくなります。トラブルの原因を社内で説明できず、経営層への報告に困る場面も出てくるでしょう。この点は、4章⑴の「ノウハウ移転の仕組み」で軽減できます。
⑵社内事情の把握に時間がかかる
委託先は、自社の業務フローや部署ごとの事情、過去の経緯を最初から知っているわけではありません。独自ルールや例外対応が多い会社ほど、理解してもらうまでに時間がかかります。
当社の場合も、最初の1か月程度はIT資産・アカウント・契約サービスの棚卸しに充て、課題の全体像を把握する期間としています。この立ち上がり期間を想定しないと、「外注しても楽にならない」という評価につながりかねません。対処法は4章⑵で解説します。
⑶対応範囲外の業務が社内に残る
情シス代行は、契約で定めた委託範囲の業務に対応するのが基本です。範囲に含まれない業務は、引き続き社内で対応する必要があります。
たとえば「PCの設定は委託したが、複合機の問い合わせは対象外だった」というケースです。既存のシステムベンダーとの役割分担が曖昧な場合も、誰も対応しないすき間業務が生まれやすくなります。この問題は、4章⑶の「対応範囲を事前に明確にする」で防ぎやすくなります。
⑷費用が継続的に発生する
情シス代行は、月額契約などで継続的に費用が発生するのが一般的です。採用に比べて初期負担を抑えやすい一方、長期的には固定費として積み上がります。
稼働時間で契約する形態では、繁忙月に枠を超えることもあります。当社の支援事例でも、入退社が集中する月やポリシー導入の月に、スポット対応で契約時間を超えたケースがありました。成果が数値で見えにくい業務も多く、「費用に見合っているのか」と問われることもあります。
4章⑷の「一部委託から始める」方法で、費用対効果を確かめながら進めることができます。
4.デメリットは回避できる?4つの対処法
3章で挙げたデメリットは、いずれも事前の準備や契約内容の工夫で軽減できます。それぞれの対処法を見ていきましょう。
⑴ノウハウ移転の仕組みを契約に入れる
ノウハウの蓄積は委託先任せにせず、契約段階で仕組みとして決めておくことが大切です。契約前に、次の点を確認しましょう。
- 作業手順書や管理台帳などのドキュメントを残してもらえるか
- 定例ミーティングで対応内容や改善提案を共有してもらえるか
- 委託先の担当者が変わる場合、記録がどう引き継がれるか
- 契約終了時の引き継ぎ方法と、ドキュメントの扱い
参考までに、当社では設定変更や導入・移行の実施にあわせて手順書や台帳を残し、定例ミーティングで状況を共有する流れを取っています。
⑵社内の窓口担当を決めておく
委託先とのやり取りを一本化する窓口担当を決めておくと、社内事情の共有がスムーズになります。窓口担当は、社内ルールや経緯を伝え、判断が必要な事項を取りまとめる役割です。
導入初期は、業務フローや例外対応の資料を共有すると立ち上がりが早まりやすくなります。資料が整っていなくても、棚卸しの過程で一緒に作成していく方法もあります。窓口担当は専任でなくてもかまいませんが、一定の時間を確保できる人を選びましょう。
⑶対応範囲を事前に明確にする
契約前に、委託する業務としない業務を一覧で切り分けておきましょう。確認したいポイントは次の通りです。
- 対象業務(ヘルプデスク、キッティング、アカウント管理など)
- 対象となる機器やクラウドサービスの範囲
- 対応時間帯と訪問対応の可否、交通費などの扱い
- 既存ベンダーとの役割分担と、窓口をどちらが担うか
範囲外の業務を社内の誰が担当するかまで決めておくと、すき間業務を防ぎやすくなります。
⑷一部委託から始める
いきなり全面委託せず、負担の大きい業務から一部委託で始める方法があります。ヘルプデスクやPCキッティングなど効果を測りやすい業務から任せるのが一案です。
一定期間運用したら「担当者の作業時間がどれだけ減ったか」「対応品質はどうか」を振り返ります。結果を見て委託範囲を広げるかを判断すれば費用対効果を社内に説明しやすくなります。
なお当社の情シスTrustでは、月5時間から稼働時間で選べるプランを用意しています。
5.情シス代行が向いている会社・向いていない会社
⑴向いているケース
次の項目に多く当てはまる会社は、情シス代行のメリットを得やすいと考えられます。
- ひとり情シス、または総務などとの兼任で情シス業務を回している
- 特定の担当者しか分からない業務があり、属人化に不安がある
- 情シス人材の採用がなかなか進まない
- 定型作業に追われ、IT戦略や業務改善に手が回っていない
- セキュリティ対策など、専門的な判断に自信がない
課題の中心が人手や専門性の不足にある場合、外部の力を借りる効果は大きくなりやすいでしょう。
⑵慎重に検討したほうがよいケース
次のような場合は導入の進め方を慎重に検討するのがおすすめです。
- 社内に十分な人数の情シス担当者がいて、体制が安定している
- 独自開発のシステムが多く、業務が社内事情に強く依存している
- 情シス機能を完全に内製化する方針がすでに決まっている
- 委託先とのやり取りを担う窓口担当を置く余裕がない
- 委託したい業務の範囲がまだ整理できていない
ただし、当てはまるから活用できないわけではありません。方針相談だけを依頼したり、内製化までの支援として期間を区切って利用したりする方法も考えられます。
6.よくある質問(FAQ)
⑴デメリットが大きくなりやすいのはどんな会社か
委託範囲や社内の窓口を決めないまま導入する会社は、デメリットが大きくなりやすい傾向があります。とりあえず任せる状態では、すき間業務やノウハウ不足が起こりやすいためです。導入前に業務を棚卸しし、委託先と役割分担を確認しておくことで抑えやすくなります。
⑵一部だけ委託してもメリットはあるか
一部だけの委託でもメリットはあります。当社の事例では、月5時間の枠で生成AIの利用ガイドライン整備と定例での情報提供を継続した会社もあります。負担の大きい業務や専門知識が必要な業務に絞れば、費用を抑えながら効果を確かめられます。
⑶途中で内製に戻すことはできるか
契約内容によりますが、途中で内製に戻すことは可能です。その際に重要なのは、手順書や管理台帳などのドキュメントが社内に残っているかどうかです。契約期間や終了時の引き継ぎ方法を事前に確認しておけば、内製化へスムーズに移行しやすくなります。
⑷情シス担当者の仕事がなくなるのではないか
仕事がなくなるのではなく、役割が「作業」から「企画・判断」へ移ると考えるのが実態に近いでしょう。委託先に方針を示し、成果を評価するのは社内の担当者です。定型作業から離れることで、IT戦略の立案や業務改善など、社内の人にしか担えない仕事に力を注げます。
7.まとめ
情シス代行のメリット・デメリットを、あらためて振り返ります。
- 採用せずに体制を整えられ、属人化の解消や事業継続性の向上が期待できる
- 一方で、ノウハウが蓄積しにくい、費用が継続するといったデメリットもある
- デメリットの多くは、契約内容・窓口担当・委託範囲の工夫で軽減できる
- 課題の中心が人手や専門性の不足にあるかが、向き・不向きの目安になる
デメリットを理解し、対処法を準備したうえで検討すれば、導入判断の精度は上がります。両面を社内で共有し、自社に合った活用方法を考えてみてください。
当社の情シスTrustでは、委託範囲や必要な稼働時間の整理といった導入前のご相談も承っています。検討材料のひとつとしてご活用ください。
ISO・Pマーク(プライバシーマーク)の認証・更新も安心
認証率100% ✕ 運用の手間を180時間カット!
信頼の「認証パートナー」が無料相談を受付中!
一目でわかる
認証パートナーのサービス紹介資料
10,000社以上の支援実績に裏付けされた、
当社サービスの概要を紹介しております。
資料の内容
- ・当社の『サポート費用・内容』
- ・取得までの『スケジュール』
- ・コンサル会社を選ぶ際の『ポイント』
- ・認証パートナーと『他社との違い』
- ・お客様のお声
情報システム認証パートナー
サービスのご案内
認証パートナーの専門コンサルタントが御社の一員となって事務局業務をサポートします。
お客様の作業は審査機関との窓口役だけ。知識がなくても大丈夫、我々にお任せください。
-
Pマーク
個人情報保護マネジメントシステム
高い保護レベルの個人情報保護マネジメントシステムを確立し、運用していることを示します。
認証パートナーなら、個人情報漏えい防止の観点も踏まえたサポートを実現します。Pマークの認証ページへ -
ISO9001
品質マネジメントシステム
品質マネジメントシステムは一貫した製品・サービスを提供し、顧客満足を向上させるための規格です。
認証パートナーなら、負担が増える形だけのISOではなく、より現場の実態に沿ったISOを実現します。ISO9001の認証ページへ -
ISMS・ISO27001
情報セキュリティマネジメントシステム
情報セキュリティマネジメントシステムは企業・組織の情報を守る規格です(ISMSとISO27001は同義)。
認証パートナーなら、情報セキュリティリスクへの対応計画、緊急時の対応計画踏まえPDCAサイクル回せるような仕組み作りを実現します。ISMS/ISO27001の認証ページへ -
ISO14001
環境マネジメントシステム
環境マネジメントシステムは環境を保護し、変化する環境状態に対応するための組織の枠組みを示します。
認証パートナーなら、課題になりがちな環境法令の対応についても一緒にサポート致します。ISO14001の認証ページへ -
ISO27017など各種対応規格
ISO27017やISO22000など各種規格もお得に 新規取得や運用・更新ができます。ご気軽にお見積りください。
ISO27017など各種対応規格ページへ -
複数規格の同時取得
ISOやプライバシーマークを同時に認証取得すると費用や工数を抑えることができます。安心してご相談ください
複数規格の同時取得ページへ
- © 2022 Three A Consulting Co., Ltd.









