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サプライチェーン排出量に関する今後の取り組みや構造について徹底解説!

2026年7月23日

サプライチェーン排出量に関する今後の取り組みや構造について徹底解説!

近年、サプライチェーン排出量は気候変動対策の観点から非常に重要な経営課題となっています。

特に「サプライチェーン排出量の削減方法が分からない…。」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、サプライチェーン排出量の削減は脱炭素化が重要になります。

なぜなら、企業の温室効果ガス排出量の大部分は、自社の直接排出ではなく、原料調達や物流、廃棄などのサプライチェーン全体で発生しているからです。

ここでは、サプライチェーン排出量による今後の取り組みや構造について徹底解説していきます。

本コラムを読み終えていただければ、サプライチェーン排出量に対する経営課題の解決に一歩前進することができるでしょう。

1.サプライチェーン排出量の削減は脱炭素化が重要


脱炭素社会の実現には、自社単独の取り組みだけでなく、原材料調達から物流までを含むサプライチェーン全体で足並みを揃えることが極めて重要です。

製造業や小売業などの多くでは、排出量の大部分がScope3に集中しています。 自社の拠点での省エネ活動だけでは限界があるため、他社の活動に起因する間接的な排出をいかに削減するかが、実質的な脱炭素化の鍵を握っています。

サプライチェーン全体での脱炭素化が求められる主な理由は以下の通りです。

・国際的な情報開示への対応

ISSBなどの国際機関や機関投資家は、上場企業に対してScope3を含む排出データの開示を義務付けています。 これにより、大企業は取引先からの正確なデータ収集を必要としています。

・脱炭素の波及と協力要請

影響力のある大手企業が削減目標を掲げることで、その部品や原材料を供給する中小企業に対しても、目標達成に向けた具体的な協力が求められるようになっています。

・競争力の強化とリスク管理

脱炭素化への対応が遅れると、取引先としての選定から外されるリスクが生じます。 逆に、早期に取り組むことで、顧客企業からの信頼を勝ち取り、新たなビジネスの機会を創出することが可能になります。

そのため、自社の工場やオフィスから直接出る排出量だけでなく、取引先や顧客の活動まで巻き込んだ脱炭素化が不可欠になっていくのです。

2.サプライチェーン排出量の構造Scope 1〜3とは

サプライチェーン排出量は、国際基準であるGHGプロトコルに基づき、排出源の性質によりScope 1・2・3の3つに分類されます。

ここではScope1〜3について徹底解説していきます。

(1)Scope 1

Scope 1とは、簡単に言うと企業が直接的に排出する温室効果ガスのことです。

具体的には、下記の通りになります。

燃料の燃焼
企業が所有または管理する施設や機器での燃料燃焼による排出
⇒ボイラー、炉、発電機
車両の運行
企業が所有または管理する車両からの排出
⇒配送トラック、社用車
製造プロセス
工業プロセスにおける化学反応などからの排出
⇒セメント製造における石灰石の分解
設備の漏れ
冷媒やその他の機器からのガス漏れ

これらは自社の管理範囲内にある排出源であるため、企業自らの判断で具体的な削減対策を講じることが可能です。

(2)Scope 2

Scope 2は、他社から供給された電気・熱・蒸気の使用に伴う排出のことです。

Scope 1の直接排出とは異なり、間接排出になります。

企業活動の大半において、Scope 2の大部分を占めるのは購入した電力になります。オフィスや工場での照明、空調、パソコン、生産設備の稼働などが該当します。

(3)Scope 3

Scope 3は、製品の原材料調達から製造、販売、消費、廃棄の過程において排出される温室効果ガスの量を指し、Scope 1・Scope 2以外の間接排出を指します。

また、Scope 3は、サプライチェーンの上流と下流に分類することができます。

原材料の調達や輸送・配送などが上流、製品の使用や廃棄が下流で、さらに15のカテゴリに分類されます。

下記が15のカテゴリになります。

  1. 購入した製品・サービス
  2. 資本財
  3. Scope 1, 2に含まれない燃料・エネルギー関連活動
  4. 輸送、配送(上流)
  5. 事業から出る廃棄物
  6. 出張
  7. 雇用者の通勤
  8. リース資産(上流)
  9. 輸送、配送(下流)
  10. 販売した製品の加工
  11. 販売した製品の使用
  12. 販売した製品の廃棄
  13. リース資産(下流)
  14. フランチャイズ
  15. 投資
引用:環境省 サプライチェーン 排出量算定の考え方(閲覧日2026.6.10)

これらのようにサプライチェーン排出量におけるScope 3では、投資家や取引先への説明責任を果たす上で非常に重要なのです。

3.排出の多くがScope 3に集中する理由

製造業や小売業の多くにとって、自社が直接管理する工場やオフィスからの温室効果ガス排出量は、全体のごく一部にすぎません。

実際には、原材料の調達を行う上流工程や、製品が消費者の手に渡った後の下流工程での排出が、全体の大部分を占めているためです。

具体例を挙げると、自動車メーカーでは、製品販売後の走行時のガソリン燃焼による排出が圧倒的な比率を占めます。

また、家電やIT機器メーカーにおいても、製品の使用段階が排出量の最も大きなホットスポットとなるのが通例です。

その一方で、食品メーカーの場合は、上流にあたる農作物の生産段階が排出の主要因となるケースが一般的です。

このように、多くの企業においてScope 3は総排出量の大半を占めています。

そのため、Scope 1および2の削減に留まる取り組みは、気候変動対策としての実効性が不十分であると評価される可能性があります。

4.サプライチェーン排出量に対する企業に求められる対応

サプライチェーン全体での排出量を正確に把握し、妥当な削減目標を定めることが企業には求められています。

その実現に向けては、ESGに即した経営戦略を立案し、遂行するための組織的な基盤を整えることが不可欠です。具体的には、専門的な知見を持つ人材の登用やガバナンス体制の強化、さらには炭素会計を効率化するソフトウェアの導入といった対応が必要となります。

また、国際的なESG投資は増加傾向にあり、今後も加速していくと予想されています。

サプライチェーン全体での排出状況を公開し、脱炭素社会の実現に向けた積極的な取り組みを行う企業は、投資家から高く評価される傾向にあります。

これにより、資金調達の機会が広がり、結果として企業価値のさらなる向上へとつながることでしょう。

5.まとめ

近年、サプライチェーン排出量は気候変動対策の観点から非常に重要な経営課題となっています。

企業の温室効果ガス排出量の大部分は、自社の直接排出ではなく、原料調達や物流、廃棄などのサプライチェーン全体で発生しているため、このサプライチェーン排出量の経営課題を解決するためには、脱炭素化が重要になります。

今後の企業に求められる対応としては、サプライチェーン全体での排出量を正確に把握し、妥当な削減目標を定めることが挙げられます。

その実現に向け、専門的な知見を持つ人材の登用やガバナンス体制の強化、さらには炭素会計を効率化するソフトウェアの導入といった対応が必要になることでしょう。

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