品質とは?初心者から担当者まで押さえるべき全知識を徹底解説
2025年9月26日

目次
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「品質ってよく聞くけど、実際にはどういう意味なんだろう…」
「なんとなく大事だとは思うけど、説明しようとすると言葉に詰まってしまう」
そんなモヤモヤを抱えたまま日々の仕事をしている人は少なくありません。
結論からお伝えすると、品質とは「製品やサービスが、求められた条件や基準をどのくらい満たしているか」を示すものです。
これは高級さや見た目の良さだけではなく、安全性・性能・耐久性などを安定して提供できているかが本質です。
この記事では、言葉の定義から種類までわかりやすく解説します。
読み終える頃には、品質について今まで以上に理解が深まるはずです。
1.品質とは

品質とは、製品やサービスがもともと持っている性質が、どのくらい要求や基準に合っているかを示す言葉です。
簡単に言えば、「約束どおりの性能や状態になっているか」という意味です。
例えば、家電製品なら、安全に使えることや説明書どおりの機能を備えていることが品質にあたります。食べ物なら、表示どおりの成分や味を守ることが重要です。
このように品質は、見た目や高級感ではなく、決められた条件や顧客の期待をどれだけ満たしているかで決まります。
また、品質は製品だけではなく、サービスや仕事の進め方にも当てはまります。接客態度や納品の正確さも品質の一部です。
つまり品質とは、基準に合った価値を安定して届けるための土台ともいえるでしょう。
(1)ISOにおける品質の定義
「ISO9000:2015」では、品質を「対象が本来持っている性質の集まりが、要求をどの程度満たしているか」と定めています。
ここでいう対象とは、製品やサービスだけでなく、組織や工程、仕組みも含まれます。
この定義では、品質の良し悪しは高級さや見た目では決まりません。
あくまで基準や条件をどれだけ守れているか、そして利用者や取引先が求める水準を満たしているかが判断の基準です。
1.補足:本来備わっている特性とは
本来備わっている特性とは、製品やサービスが最初から持っている性質や機能のことです。
これは後から追加されたものではなく、設計や素材、構造などによって最初から備わっている要素を指します。
例えば、スマートフォンであれば画面の解像度やバッテリー容量、処理速度などが該当します。食品であれば、原材料の品質や味、香り、安全性がこれにあたります。
これらは見た目だけでなく、性能や耐久性、安全性といった幅広い面を含みます。
2.補足:要求事項
要求事項とは、製品やサービスに対して守るべき条件や満たすべき基準のことです。
顧客の要望や契約の内容、法律や業界の規格、自社が定めた品質基準など、多くの要素から成り立っています。
例えば、食品の場合は「安全であること」「表示どおりの成分であること」が要求事項に含まれます。
建築物であれば、耐震性能や防火基準、設計図どおりの寸法がこれにあたります。
これらの内容は、単なる目標などではなく、守らなければならない条件であり、品質を評価する重要な物差しです。
(2)品質管理と品質保証の違い
品質管理と品質保証は、どちらも品質を守るための重要な活動ですが、その役割と目的は異なります。
| 項目 | 品質管理 | 品質保証 |
| 目的 | 製品やサービスが基準や仕様に合っているかを確認・維持する | 顧客や第三者に「要求事項を満たしている」と確信させる |
| 主な活動 | 工程の監視、検査、不具合の是正 | 品質マネジメントシステムの整備、方針策定、監査、文書管理 |
| 対象範囲 | 現場の具体的な作業や運用 | 組織全体の体制・仕組み |
品質管理は、製品やサービスが決められた基準や仕様に合っているかを確認し、維持するための取り組みです。
工程の監視や検査、不具合の是正など、現場での具体的な作業が中心になります。
一方、品質保証は、顧客や第三者に対して「この製品やサービスは要求事項を満たしています」と確信を持たせるための仕組みや活動を指します。
品質マネジメントシステムの整備、方針の策定、監査や文書管理など、組織全体で品質を担保するための体制づくりが主な役割です。
つまり、品質管理は日々の運用で品質を維持する活動、品質保証はその品質を内外に保証する仕組みといえます。
2.品質を考える際に大切な3つの指標
品質を考える際に大切な指標は、大きく分けて3つあります。
- Quality(品質)
- Cost(コスト)
- Delivery(納期)
これらは、それぞれの頭文字を取って「QCD」と呼ばれ、製造業やサービス業において、業務や成果を評価・改善する際の基本的な指標です。
各指標について、順番に見ていきましょう。
(1)Quality(品質)
Quality(品質)は、製品やサービスがどの程度、求められた条件や基準を満たしているかを表す重要な指標です。
単に高級であることや見た目が良いことではなく、顧客や規格が求める性能・安全性・耐久性などを安定して提供できているかが本質です。
例えば、自動車であれば、カタログで示された性能を発揮し、さまざまな走行条件でも安全に運転できることが品質の高さを表します。
また、医療機器では、測定値や動作が常に正確で、使用者が安心して扱えることが求められるでしょう。
つまり、Quality(品質)とは期待された価値を欠かさず届けることなのです。
(2)Cost(コスト)
Cost(コスト)は、製品やサービスを提供するためにかかる総合的な費用を指します。
材料費や人件費、設備の維持費、輸送費などが含まれ、企業の利益や価格設定に直結するため、特に重要な指標といえるでしょう。
例えば、製造工程で無駄な作業や不良品が多ければ、追加の修正や廃棄が発生し、コストは増加します。
逆に、工程を効率化し、必要な資源を最小限で使うことができれば、コストを削減しながら品質も維持できます。
ただし、過剰なコスト削減は品質や納期に悪影響を与えるため、バランスを保つことが重要です。
つまり、Cost(コスト)は単に支出を減らすことではなく、限られた資源を最も効果的に活用するための管理指標なのです。
(3)Delivery(納期)
Delivery(納期)は、製品やサービスを約束した期日までに確実に届けることを意味します。
どれだけ品質や価格が優れていても、必要な時に届かなければ顧客の満足度は下がり、信頼を失ってしまうはずです。
建設現場では資材の到着が遅れれば工期全体が延び、追加の費用や人員調整が必要になります。
また、小売業では商品の入荷が遅れると販売機会を逃し、売上にも影響するでしょう。
そのため、正確な生産計画、在庫管理、輸送手段の確保など、複数の要素を組み合わせて納期を守る体制を整えることが大切です。
つまり、Delivery(納期)は単なる期日の遵守ではなく、顧客との信頼関係を維持することにもつながるのです。
3.品質を理解する上で欠かせない4つの種類
品質は、以下の4つに分類することができます。
- 企画品質
- 設計品質
- 製造品質
- 使用品質
これらを知らずに取り組むと、改善の重点を誤り、せっかくの努力が成果につながらないかもしれません。
そうならないためにも、ひとつずつ見ていきましょう。
(1)企画品質
企画品質とは、製品やサービスを世に出す前の企画段階で決まる品質のことです。
どのような機能を持たせるか、どの価格帯で提供するか、誰を対象にするかといった方向性が、この時点で定まります。
この段階では、顧客が何を求めているのかを正しく理解することが重要です。
市場調査や顧客インタビューを通じて、必要とされる性能やデザイン、安全性などを洗い出し、製品のコンセプトに反映させます。
もし企画品質が不十分であれば、後の設計や製造でどれほど努力しても、顧客の期待に合わない製品になってしまいます。
具体的には、高級志向の市場に向けるべき製品を、低価格重視の仕様で企画してしまうと、販売が伸び悩んでしまうかもしれません。
つまり、企画品質は製品やサービスの価値を決める出発点ともいえます。
(2)設計品質
設計品質とは、企画で決めた内容をもとに、図面や仕様として具体化された段階での品質をいいます。
この段階で、製品やサービスの性能、安全性、耐久性、操作性などがほぼ決まると言っても過言ではありません。
設計品質が高ければ、製造や使用の段階で安定した品質を確保しやすくなります。
例えば、自動車の設計において、衝突安全性能や燃費性能、耐久性などを適切に組み込めば、利用者は長く安心して使用できます。
逆に、設計段階で不備があれば、どれほど製造工程を改善しても不具合が発生しやすくなり、結果的に顧客の満足度を下げることになるでしょう。
そのため、設計段階では材料の選定や部品の配置、構造の強度計算など、細部まで検討することが欠かせないのです。
(3)製造品質
製造品質とは、設計で定められた仕様や基準を、製造や提供の過程でどれだけ正確に実現できているかを表す品質です。
仮に同じ設計図があっても、製造工程や作業手順、管理方法によって、出来上がりの品質は大きく変わります。
例えば、食品工場では温度や時間の管理がわずかにずれるだけで、味や安全性に影響してしまいます。
電子機器の製造においては、部品の取り付け精度や半田付けの状態が製品寿命や動作の安定性に直結します。
つまり、製造品質を確保することが、顧客に安心して使ってもらえる製品やサービスを届けることにつながるのです。
(4)使用品質
使用品質とは、製品やサービスが実際に使われたときに発揮される品質を指します。
これは、カタログに書かれた性能や仕様だけでは分からず、利用者が実際に使ってみて感じる満足度や信頼性が大きく影響します。
例えば、ホテルであれば、予約どおりの部屋や設備が用意されているだけでなく、清潔さやスタッフの対応の丁寧さ、滞在中の快適さも重要です。
また、スマートフォンアプリでは、案内通りの機能が使えることに加えて、操作が直感的でわかりやすいか、動作が安定しているかが評価の対象となります。
使用品質が低いと、初期性能が高くても時間の経過とともに不満が生じ、リピーターや口コミでの評価に悪影響を与えてしまうかもしれません。
逆に、使用品質が高ければ顧客満足度が向上し、長期的な信頼やブランド価値の向上につながります。
4.まとめ
今回は、品質について、その定義から基本的な考え方、さらに種類まで幅広く解説しました。
品質とは、製品やサービスが求められた条件や基準をどの程度満たしているかを表すものです。
品質において、企画品質・設計品質・製造品質・使用品質という4つの種類や、QCD(品質・コスト・納期)などの指標も重要です。
この記事を参考に、品質の基礎を改めて見直してみてください。
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