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サービス品質とは何か?定義から重要である理由、測定方法までを一挙公開

2025年9月22日

サービス品質とは何か?定義から重要である理由、測定方法までを一挙公開

「品質を上げるには何から始めればいいのか」
「サービスの良し悪しを数字でどうやって測ればいいのだろう」

結論から言うと、サービス品質は正しく測定し、課題を見つけ、計画的に改善することで向上させられます。

なぜなら、品質は感覚ではなく、顧客の声や行動データ、業務の指標などを使って客観的に評価できるものだからです。

この記事では、サービス品質の意味と重要性を整理し、代表的な評価方法を定量的、定性的に分けて解説します。
この記事を読めば、サービス品質を、数値と具体策で管理できる状態にできるはずです。ぜひ、ご一読ください。

1.サービス品質とは

サービス品質とは、企業や店舗などが提供するサービスの「良し悪し」を示す考え方です。

顧客が受け取った体験や価値を、満足度や信頼感といった形で表します。

目に見える製品の品質とは異なり、サービスは形がないため、感じ方や評価は人によって変わるのが特徴です。

具体的には、約束通りに正しく提供できているか、迅速に対応できているか、安心や信頼を与えられているかといった点が含まれます。
さらに、相手の立場に立った配慮や、施設・設備の清潔さや快適さも重要です。

つまり、サービス品質は単なる接客態度の良さだけでなく、安心感・信頼感・利便性など多くの要素で成り立っているのです。

2.サービス品質が重要である4つの理由

サービス品質が重要な理由は、大きく分けて以下の4つです。

  • 顧客満足度の向上
  • 差別化につながる
  • 顧客生涯価値(LTV)の最大化
  • クレームや離反の防止

これらを理解することで、なぜ品質向上の取り組みが企業の成長や顧客維持に直結するのかがわかります。

順番に見ていきましょう。

(1)顧客満足度の向上

顧客満足度の向上は、サービス品質を高める最大の目的です。

満足度が高い顧客は、再び利用したり、家族や友人に紹介したりする可能性が高まります。
その結果、自然な形で新しい顧客を呼び込み、長期的な売上の安定にもつながります。

ただし、お客様の満足感は、単に要望を満たすだけでは生まれません。

約束した内容を確実に守り、素早く丁寧に対応すること、相手の立場に立った配慮を行うことなど、細かな積み重ねが重要です。
さらに、接客態度や設備の快適さ、情報提供の分かりやすさといった要素も、満足度を大きく左右します。

つまり、顧客満足度の向上は、サービス品質全体を高める取り組みといえます。

(2)差別化につながる

サービス品質の高さは、他社との明確な差別化につながります。

同じ商品や価格帯であっても、顧客は「より良い体験」を提供する企業を選びます。
そのため、品質の向上は競争が激しい市場で生き残るための有効な手段なのです。

なお、差別化を生む要因は、一つの要素だけではありません。

迅速で正確な対応、分かりやすい説明、安心感を与える接客、清潔で快適な施設や環境など、複数の要素が組み合わさって独自の魅力を生み出します。

また、顧客の小さな要望や不満を汲み取り、改善を積み重ねることで、他にはない信頼関係が生まれるでしょう。

つまり、サービス品質の向上は、価格や商品構成だけでは実現できない価値を生み出すのです。

(3)顧客生涯価値(LTV)の最大化

サービス品質を高めることは、顧客生涯価値(LTV)の最大化に直結します。

LTV(Life Time Value)とは、一人の顧客が取引を始めてから終了するまでに、企業にもたらす総利益のことです。
長く取引を続けてもらうほど、この価値は大きくなります。

高い品質のサービスを提供し続ければ、顧客は安心して利用を継続し、追加購入や別商品の利用にもつながります。
さらに、信頼関係が築かれることで他社との価格競争に巻き込まれにくくなり、安定した収益を確保しやすくなるでしょう。

このように、満足度の高い顧客は一度きりではなく、何度も利益をもたらす存在となります。

つまり、サービス品質の向上は単なる短期的な売上の増加ではなく、長期的な利益を育てる戦略なのです。

(4)クレームや離反の防止

サービス品質を高めることは、クレームや顧客の離反を未然に防ぐ効果があります。

不満や不便を感じた顧客は、直接苦情を伝える場合もあれば、何も言わずに利用をやめてしまう場合もあります。

しかし、品質が高いサービスでは、顧客が不満を抱く原因を事前に取り除くことが可能です。

例えば、説明不足をなくす、対応の遅れを減らす、設備やシステムの不具合を早期に改善するといった取り組みが有効です。
また、万が一問題が発生した場合でも、迅速で誠意のある対応を行えば、信頼を回復しやすくなるでしょう。

つまり、サービス品質の向上は、トラブルの芽を早い段階で摘み取る予防策にもなります。

3.サービス品質を評価するSERVQUALの5次元

SERVQUAL(サーブクオール)とは、サービス品質を測定・評価するために広く使われるフレームワークで、とくに顧客満足度調査の設計で有名です。

サービス品質は「顧客が期待していたこと」と「実際に受けた体験」との差で決まるというもので、その評価軸として、以下の5つの次元が設定されています。

  • 信頼性
  • 応答性
  • 確実性
  • 共感性
  • 有形性

ひとつずつ解説していきます。

(1)信頼性

信頼性とは、約束したサービスを正確かつ安定して提供できる能力を指します。

高い信頼性を実現するには、常に同じ品質を保ち、期待通りの結果を提供することが欠かせません。

例えば、納期を守る、請求内容に誤りがない、案内された手順通りに対応が行われるといった点が該当します。
一度でも約束が守られなかったり、ミスが繰り返されたりすると、顧客は不安を感じ、他社に乗り換える可能性が高まります。

つまり、信頼性は単なるミスをしないことだけでなく、継続して期待に応える姿勢の積み重ねなのです。

(2)応答性

応答性とは、顧客からの問い合わせや要望に対して、迅速かつ適切に対応する姿勢を指します。

実は、高い応答性を保つためには、単に早く返事をするだけでは不十分です。
状況を正しく把握し、必要な情報や解決策をわかりやすく伝えることが重要です。

例えば、問い合わせにすぐ返信するだけでなく、途中経過をこまめに報告することで、不安を軽減できます。

また、緊急性の高い問題には優先的に対応し、顧客が待たされる時間を最小限に抑える工夫も必要です。

すなわち、応答性はスピードと正確さの両立が求められるのです。

(3)確実性

確実性とは、サービスを提供する担当者が持つ知識や技術、そして誠実さによって、顧客に安心感や信頼感を与える能力をいいます。

高い確実性を実現するには、正確な情報を提供できる専門知識と、状況に応じて適切に対応できる判断力が必要です。

例えば、商品の仕様や契約内容を誤りなく説明できること、問題発生時に根拠のある解決策を提示できることが挙げられます。
また、言葉遣いや態度も確実性に影響します。礼儀正しく、落ち着いた対応は、顧客の不安を和らげます。

つまり、確実性は単なる知識量や経験年数ではなく、正確さと誠実さを兼ね備えた対応の積み重ねなのです。

(4)共感性

共感性とは、顧客の立場や気持ちを理解し、その状況に寄り添った対応を行う姿勢のことです。

高い共感性を実現するには、相手の話を丁寧に聞き、言葉だけでなく表情や態度でも気持ちを汲み取ることが大切です。

例えば、困っている理由や背景を理解した上で解決策を提案すれば、顧客は「自分を大切にしてくれている」と感じます。
また、常連客の好みや過去のやり取りを覚えておくことも、信頼関係を深める有効な方法です。

共感性は顧客の満足度を高めるだけでなく、長期的な関係構築にもつながります。

(5)有形性

有形性とは、サービスに関連する目に見える要素の質をいいます。

店舗や施設の清潔さ、スタッフの服装や身だしなみ、設備や備品の状態などが含まれ、顧客が受ける第一印象にも直結します。

具体的には、ホテルではロビーの香りや照明の明るさ、レストランではテーブルや食器の清潔さが評価に影響します。
また、スタッフの名札や制服が整っていることも、安心感や信頼感を与える要素です。

どれほど中身の良いサービスでも、見た目や環境が整っていなければ価値は半減します。

常に顧客の視点で環境を整えることで、安心して利用できる雰囲気を作り出し、全体の満足度を高めることができます。

4.サービス品質の定量的な測定方法

サービス品質の定量的な測定方法には、以下のようなものがあります。

  • アンケート調査
  • 業務KPIの計測
  • 行動データ分析

これらを理解すれば、感覚や主観に頼らず、客観的なデータをもとに品質を評価できるようになります。

それぞれについて解説していきます。

(1)アンケート調査

アンケート調査は、サービス品質を数値として把握する代表的な方法です。

顧客の感じ方や評価を直接集められるため、満足度や改善点を明確にできます。
この方法では、質問項目をあらかじめ設定し、回答を数字や選択肢で記録します。

サービス品質の代表的なアンケート指標は以下のとおりです。

指標名説明評価方法の例
CSAT(顧客満足度スコア)サービス全体に対する顧客の満足度を測定する指標「満足度を5段階で評価してください」などの質問を行い、平均点や割合を算出
NPS(ネット・プロモーター・スコア)顧客がサービスを他人に勧めたいと思う度合いを測る指標「0〜10点でどのくらい勧めたいですか?」と質問し、推奨者割合から批判者割合を引いて算出

また、回答を集計すれば、どの項目で高く評価され、どこに不満が集中しているかを客観的に把握できます。

ただし、質問が多すぎると回答率が下がるため、目的に沿って項目を絞るようにしましょう。

(2)業務KPIの計測

業務KPIの計測は、サービス品質を客観的な数値で評価できます。

KPIとは重要業績評価指標のことで、業務の成果や進捗を測る基準になります。業務KPIの代表例は以下のとおりです。

指標名説明測定方法の例
一次解決率(FCR)初回対応で顧客の問題を解決できた割合問い合わせ件数のうち、初回で解決した件数の割合を算出
平均応答時間(ASA)顧客からの問い合わせに応答するまでの平均時間受付から応答までの時間を計測し、全体の平均を求める
SLA遵守率契約や合意された条件通りにサービスを提供できた割合実際の提供状況をSLAの基準と照合し、達成率を算出

これらの数値を定期的に確認すれば、対応スピードや正確さ、安定性の改善点が明らかになります。

また、KPIは経過を追って比較できるため、改善施策の効果を測定する際にも役立ちます。

(3)行動データ分析

行動データ分析とは、顧客がサービスを利用する際に残す記録をもとに、品質や満足度を評価する方法です。

アンケートのように直接意見を聞くのではなく、実際の行動から傾向や課題を見つけられる点が特徴です。

行動データ分析の主な指標には以下のようなものがあります。

指標説明活用例
継続率購入や契約を続けている顧客の割合契約更新の多い顧客層を分析し、長期利用の要因を把握する
利用頻度サービスや商品を利用する回数利用回数が減少した顧客に対して改善策や再利用促進策を実施
解約率契約を終了する顧客の割合解約理由を調査し、離反防止の施策に活用
問い合わせ件数の推移一定期間に受けた問い合わせ数の変化特定時期の急増から問題点や改善の必要箇所を特定
アクセス数Webサイトやアプリへの訪問回数広告やキャンペーンの効果測定に活用

このようなデータを継続的に追跡すれば、顧客満足度の変化や、離反の兆候を早期に把握できます。

感覚ではなく事実に基づく判断ができるため、より精度の高いサービス品質向上につながります。

5.サービス品質の定性的な測定方法

サービス品質の定性的な測定方法には、大きく分けて以下の4つがあります。

  • 顧客インタビュー
  • ミステリーショッピング
  • VOC(Voice of Customer)の分析
  • サービス品質監査(QA評価)

それぞれの方法について順番に説明していきます。

(1)顧客インタビュー

顧客インタビューは、サービスの利用者から直接意見や感想を聞き取り、品質向上の手がかりを得る方法です。

この手法では、顧客に対して一対一で質問を行い、具体的な体験や印象、改善の要望を聞き出します。

例えば、「サービスを利用して良かった点」や「改善してほしい点」などを掘り下げることで、満足や不満の理由を明確にできます。
また、アンケートでは出にくい率直な意見や、潜在的なニーズを発見できる点も大きな利点です。

さらに、継続的に実施すれば、時間の経過による顧客の意識変化も把握できます。

顧客インタビューは、数値では表せない感情や背景を把握できるため、深い洞察が得られます。

(2)ミステリーショッピング

ミステリーショッピングとは、調査員が一般の顧客を装ってサービスを利用し、その体験を評価する方法です。

この手法では、事前に設定された評価基準に沿って、接客態度や説明のわかりやすさ、店舗や設備の清潔さなどを細かくチェックします。

例えば、入店時のあいさつや注文までの待ち時間、商品知識の正確さなど、通常の顧客が気づくポイントを詳細に記録します。
また、従業員が調査されていると知らない状態で行うため、日常業務の本来の様子を把握しやすいという点が特徴です。

ミステリーショッピングは、現場の実態をリアルに把握できる有効な方法といえます。

(3)VOC(Voice of Customer)の分析

VOC(Voice of Customer)の分析では、顧客から寄せられる意見や感想を整理・評価し、サービス改善に生かしていきます。

この分析では、アンケート結果だけでなく、問い合わせ内容やクレーム、SNSや口コミサイトでの発言など、幅広い情報源が対象です。

例えば、「対応が遅い」という意見が複数見られれば、応答スピードを改善する必要があると判断できます。
また、好意的な意見からは強みを把握でき、他社との差別化に活用できます。

最近では、テキストマイニングや感情分析ツールを使い、大量のVOCを効率的に分類・解析する方法も増えています。

(4)サービス品質監査(QA評価)

サービス品質監査(QA評価)は、実際の業務や応対内容を基準に沿って評価し、品質を客観的に測定する方法です。

この方法では、録音・録画された応対内容や記録をもとに、言葉遣い、情報の正確さ、マニュアルの遵守状況などを詳細にチェックしていきます。

例えば、コールセンターであれば、声のトーンや説明の分かりやすさ、顧客の意図を正しく理解しているかといった点が評価対象です。

評価は複数人で行うことが望ましく、主観による偏りを減らす工夫も必要です。

また、結果は単にスコア化するだけでなく、改善のための具体的なフィードバックとして現場に還元しましょう。

サービス品質監査(QA評価)の定期的な実施により、安定した品質と顧客満足の維持が可能となります。

6.まとめ

今回は、サービス品質について、その定義から重要とされる理由、さらに測定方法まで幅広く解説しました。

サービス品質とは、顧客が受け取ったサービスに対して抱く満足度や評価を示すものであり、信頼性・応答性・確実性・共感性・有形性といった複数の要素で構成されます。

また、サービス品質が重要である理由として、顧客満足度の向上や他社との差別化、顧客生涯価値(LTV)の最大化、クレームや離反の防止が挙げられます。

この記事を参考に、自社のサービス品質を客観的に評価し、継続的な改善につなげてみてください。

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