トロイの木馬とは何か?知っておくべき特徴と7つの代表的な種類
2025年7月22日

目次
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- 1.トロイの木馬とは
- (1)古代ギリシャ神話における「トロイの木馬」の歴史
- (2)ソフトウェアにおける「トロイの木馬」の定義
- 2.トロイの木馬で知っておきたい7つの種類
- (1)自動的に別のマルウェアを呼び込む「ダウンローダー型」
- (2)感染後にコントロールを奪う「バックドア型」
- (3)金銭を目的にデータを人質にする「ランサムウェア型」
- (4)キーボード操作や通信内容を盗む「スパイ型(スパイウェア)」
- (5)オンラインバンキング情報を狙う「バンキング型」
- (6)セキュリティ機能を妨害する「アンチセキュリティ型」
- (7)偽装インストーラに潜む「インストーラ型」
- 3.トロイの木馬に感染したと思った方へのアドバイス
- (1)表示されたページのリンクやボタンは絶対に押さないこと
- (2)警告が消えない場合は再起動してキャッシュを削除すること
- 4.もしトロイの木馬の偽物の警告に従ってしまったら
- (1)インターネットの接続を切り、ウイルススキャンを行う
- (2)怪しいファイルやアプリを削除する
- (3)必要に応じてカード会社や各種サービスへ連絡をする
- 5.トロイの木馬に感染しないための10の対策
- (1)OS・ソフトウェアを常に最新の状態にアップデートする
- (2)セキュリティ対策ソフトを導入し定義ファイルを最新に保つ
- (3)不審なメールの添付ファイルやURLリンクを安易に開かない
- (4)信頼性の低いWebサイトからのファイルダウンロードを避ける
- (5)提供元が不明なアプリやソフトウェアをインストールしない
- (6)強力なパスワードを設定し複数のサービスで使い回さない
- (7)多要素認証(MFA)を設定しアカウントのセキュリティを強化する
- (8)公共Wi-Fi利用時はVPN接続などで通信を暗号化する
- (9)OSやブラウザのセキュリティ設定を確認・強化する
- (10)重要なデータのバックアップを定期的に作成する
- 6.まとめ
「トロイの木馬って、なんとなく聞いたことはあるけれど、実際にどんなものなのかわからない」
トロイの木馬とは、一見安全そうに見せかけて、実は中に悪意のあるプログラムをひそませたマルウェアの一種です。
見た目が普通のファイルやアプリと変わらないため、知らずに開いてしまうことで情報を盗まれたり、遠隔操作されたりする危険があります。
このように、トロイの木馬は「だまされて実行してしまうこと」で感染するため、正しい知識と注意がとても大切です。
そこで今回は、トロイの木馬の意味や名前の由来、仕組み、実際に起こりうる被害、そして予防のポイントまで、わかりやすく解説しています。
この記事を読めば、トロイの木馬の正体や対策方法を理解でき、日頃のネット利用にも安心して向き合えるようになります。
なるべく専門用語を使わずにやさしく説明していますので、セキュリティに詳しくない方もどうぞご安心ください。
1.トロイの木馬とは

トロイの木馬とは、もともとギリシャ神話のトロイア戦争に登場する、ギリシャ軍がトロイアの城を陥落させるために使った策略と、それに用いられた巨大な木製の馬を指します。
この木馬の中に兵士を隠して城内へ運び入れ、内部から奇襲を仕掛けたことが由来です。
サイバーセキュリティの分野では、この神話の木馬になぞらえて、見た目には安全そうに見えるファイルやソフトウェアの中に、悪意のあるプログラムが隠されているマルウェア(悪意のあるソフトウェア)のことを「トロイの木馬」と呼びます。
ユーザーがだまされてファイルを開いたりアプリを実行したりすることで、情報を盗まれたり、端末が遠隔操作されたりする危険があります。
(1)古代ギリシャ神話における「トロイの木馬」の歴史
「トロイの木馬」は、古代ギリシャ神話に登場する有名な戦略の一つです。
これは、長年続いたトロイア戦争で、ギリシャ軍が敵の城を落とすために用いた巧妙な作戦として語り継がれています。
ギリシャ軍は、あたかも戦いをあきらめたかのように見せかけて、大きな木馬をトロイアの城門前に残し、軍を引き上げたふりをしました。
この木馬は贈り物と見せかけたもので、実はその中に兵士たちが隠れていました。
トロイア軍は勝利を信じて木馬を城内へ運び入れ、夜になって安心しきったところで、内部に潜んでいた兵士たちが姿を現し、城門を開けて仲間を招き入れました。
この奇襲によって、トロイアの町は陥落し、戦争はギリシャ側の勝利に終わったと伝えられています。
この神話は、「外見にだまされる危険」や「油断の怖さ」を象徴する物語として、古くから語られてきました。
現代でも「トロイの木馬」という言葉は、見かけは無害でも中に脅威をひそませたものを表す言葉として使われています。
(2)ソフトウェアにおける「トロイの木馬」の定義
ソフトウェアの世界で「トロイの木馬」とは、見た目には問題がなさそうに見えるプログラムやファイルの中に、悪意のある機能をひそませたマルウェアのことを指します。
ユーザーが安心して使ってしまうように工夫されている点が特徴です。
このようなソフトは、一見すると普通の文書ファイルや便利なツール、更新用のプログラムなどのように見せかけられています。
しかし、ユーザーがそれを開いた瞬間に、裏でこっそりと不正な動作を開始し、パスワードの入力情報を盗んだり、コンピューターを外部から遠隔操作できるようにしたりするなどの被害を引き起こします。
つまり、ソフトウェアにおけるトロイの木馬とは、「中に危険が隠れていることに気づかせない」ように作られた悪意のあるものなのです。
2.トロイの木馬で知っておきたい7つの種類
トロイの木馬にはいくつか種類があります。代表的なものは以下のとおりです。
- ダウンローダー型
- バックドア型
- ランサムウェア型
- スパイ型(スパイウェア)
- バンキング型
- アンチセキュリティ型
- インストーラ型
それぞれの特徴を理解し、どのように対処をすればよいのかに役立てていきましょう。
(1)自動的に別のマルウェアを呼び込む「ダウンローダー型」
ダウンローダー型のトロイの木馬とは、自らは大きな害を与えないように見えて、実は別のマルウェアを密かに呼び込む危険な種類です。
感染してしまうと、ユーザーが気づかないうちに、ランサムウェアやスパイウェアなど、より深刻なウイルスをインターネットから自動的にダウンロードしてしまいます。
このタイプは、最初に感染させる「入口」のような役割を果たすため、セキュリティ対策が不十分なパソコンではとくに被害が広がりやすいです。
たとえば、偽のソフトウェアやフリーソフトに仕込まれているケースが多く、見た目は正常でも裏では危険な処理が進んでいることがあります。
ダウンローダー型は表面上は無害に見えるため、見逃されやすいという特徴があります。
(2)感染後にコントロールを奪う「バックドア型」
バックドア型のトロイの木馬は、感染したパソコンやスマートフォンの内部に「裏口(=バックドア)」を作り、外部から自由に操作できるようにするマルウェアです。
一度入り込まれると、ユーザーの知らないところで外部の攻撃者に乗っ取られてしまう恐れがあります。
この裏口は、正規のログインやパスワード認証を通さずに内部へアクセスできるため、非常に危険です。
たとえば、ファイルの削除や情報の盗み出し、さらには別のサイバー攻撃の踏み台として利用されることもあります。
また、見た目には通常通り動作しているように見えるため、気づくのが難しいという特徴があります。
つまり、バックドア型は一度感染すると、パソコンの自由を奪われるだけでなく、大きな被害につながる可能性を持つ危険な存在なのです。
(3)金銭を目的にデータを人質にする「ランサムウェア型」
ランサムウェア型とは、パソコンやスマートフォンにあるデータを勝手に暗号化し、元に戻すための「身代金」を要求する非常に悪質なマルウェアです。
感染すると、写真や書類、業務データなどがすべて開けなくなり、操作ができなくなってしまいます。
このマルウェアの目的はお金であり、「データを元に戻したければ、暗号を解除するための料金を支払え」と脅してきます。
しかし、たとえお金を払っても元に戻る保証はなく、さらに新たな攻撃の標的になる危険もあるため、要求に応じることは避けるべきです。
感染経路としては、偽のメール添付ファイルや不正なWebサイトなどが多いため、日頃の警戒が欠かせません。
(4)キーボード操作や通信内容を盗む「スパイ型(スパイウェア)」
スパイ型(スパイウェア)は、感染したパソコンやスマートフォンの内部でこっそり動作し、ユーザーの入力や通信内容を盗み取るマルウェアです。
特に、パスワードやクレジットカード情報、個人の会話内容などが狙われやすく、知らないうちに大切な情報が外部に送られてしまいます。
このタイプの特徴は、動作が非常に目立ちにくいことです。
たとえば、キーボードの入力をそのまま記録して外部に送るキーロガー機能や、ネット上でのやり取りを監視する機能などを備えており、情報を盗むことに特化しています。
また、感染しても通常のアプリと見分けがつきにくく、セキュリティ対策が甘いと発見が遅れてしまうので注意が必要です。
(5)オンラインバンキング情報を狙う「バンキング型」
バンキング型のトロイの木馬は、ネットバンキングの情報を盗み取ることを目的としたマルウェアです。
具体的には、ログインIDやパスワード、ワンタイムパスワードなどの入力情報をこっそり記録し、外部の攻撃者に送信します。
このマルウェアは、ネットバンキングの利用中に偽の画面を表示したり、本物の操作画面に似せた入力欄を上書きして、ユーザーをだます仕組みを使うことがあります。
たとえば、普段通りにネットバンキングにアクセスしたつもりでも、実際には偽のログイン画面に誘導され、そこで入力した情報がすべて盗まれてしまうという手口です。
バンキング型は金銭的な被害に直結するため、非常に危険なタイプのマルウェアです。
(6)セキュリティ機能を妨害する「アンチセキュリティ型」
アンチセキュリティ型とは、ウイルス対策ソフトやファイアウォールなどの防御機能を無効化したり、妨害したりするマルウェアです。
本来であれば危険な動きを検知してくれるはずのセキュリティソフトが働かなくなってしまうため、他のウイルスや攻撃に対して無防備な状態になってしまいます。
たとえば、セキュリティソフトの更新を止めたり、スキャン機能を無効にしたり、警告メッセージが表示されないように細工するなどの動きをすることがあります。
こうした妨害行為によって、バックドア型やランサムウェア型など、さらに深刻なマルウェアの侵入を許してしまうのです。
(7)偽装インストーラに潜む「インストーラ型」
インストーラ型のトロイの木馬は、一見すると正規のソフトウェアやアプリのインストーラに見せかけて、裏でこっそりマルウェアを仕込むタイプのウイルスです。
見た目が本物そっくりなため、多くの人が警戒せずに実行してしまうのが特徴です。
たとえば、有名な動画再生ソフトやゲーム、便利なツールなどの無料配布サイトを装ってダウンロードさせ、その裏でウイルスを同時にインストールします。
しかも、表向きはちゃんとソフトが動くように作られているため、感染に気づくまでに時間がかかることも少なくありません。
なお、ダウンローダー型との違いは、感染のタイミングと役割にあります。
インストーラ型は、偽のソフトに見せかけてその場でマルウェア本体を端末に仕込むのに対し、ダウンローダー型は、感染後に外部から別のマルウェアを自動でダウンロードして侵入させる点が異なります。
3.トロイの木馬に感染したと思った方へのアドバイス
表示される警告は、実際のウイルスによるものではなく、偽の警告画面(フェイクアラート)の可能性があります。
攻撃者は、ユーザーを不安にさせて金銭をだまし取ったり、さらに悪質なソフトウェアをインストールさせたりすることが目的です。
本物のセキュリティ警告に見せかけて、ユーザーの判断を誤らせようとする巧妙な手口には十分注意が必要です。
(1)表示されたページのリンクやボタンは絶対に押さないこと
トロイの木馬に感染したと思ったときは、表示されたページにあるリンクやボタンを絶対に押さないことが大切です。
たとえ「ウイルスを削除します」「ここをクリックして対処」などと書かれていても、それはさらなる感染を広げるための罠である可能性が高いです。
警告がWebブラウザ上に表示されている場合は、画面右上の「×」を押して閉じるか、ブラウザを一度終了しましょう。
攻撃者は、不安をあおって行動させようとする手口を使います。
そのため、表示されている内容を信じてボタンを押してしまうと、追加のマルウェアが勝手にダウンロードされたり、個人情報を盗まれたりする恐れがあります。
不審なページが表示されても何も操作せずにすぐ閉じましょう。
(2)警告が消えない場合は再起動してキャッシュを削除すること
「トロイの木馬に感染したかもしれない」と思った際に、画面に表示された警告が何度閉じても消えない場合は、パソコンやスマートフォンを一度再起動し、キャッシュを削除しましょう。
それだけで不正なページの一時データが消え、表示が止まることがあります。
このような警告は、実際にはマルウェアそのものではなく、ただのブラウザの表示データ(キャッシュ)であるケースも多く見られます。
消えない警告が表示されたときは、慌てずに、まずは再起動とキャッシュの削除を試すことがおすすめです。
4.もしトロイの木馬の偽物の警告に従ってしまったら
トロイの木馬の偽物の警告に従ってしまった場合は、以下の3つの方法を実施してください。
- ネットの接続を切り、ウイルススキャンを行う
- 怪しいファイルやアプリを削除する
- 必要に応じてカード会社や各種サービスに連絡する
万が一の際にも慌てず落ち着いて対応できるように、それぞれについて確認しておきましょう。
(1)インターネットの接続を切り、ウイルススキャンを行う
もしトロイの木馬の偽物の警告にしたがって何らかの操作をしてしまった場合は、まずインターネットの接続を切り、ウイルススキャンを実行しましょう。
インターネットに接続されたままでは、不正なソフトが外部と通信を行い、個人情報を送信したり、追加のマルウェアを勝手にダウンロードしたりするかもしれません。
そのため、Wi-Fiや有線接続をすぐに切断することで、それ以上の被害を防ぐことができます。
そのうえで、セキュリティソフトを使って、パソコンやスマートフォン全体をスキャンし、怪しいファイルがないかを確認しましょう。
(2)怪しいファイルやアプリを削除する
怪しいファイルやアプリがないかを確認し、見つけた場合はすぐに削除しましょう。
セキュリティソフトで削除できる場合もありますが、もし削除されなかった場合は手動で行う必要があります。
まずは、インストールされたアプリの一覧を確認し、自分が意図せず入れた心当たりのないものがないかを丁寧に見直しましょう。
削除する際は、スマートフォンなら「設定」からアプリを選択し、「アンインストール」の手順を踏みます。
パソコンの場合は「コントロールパネル」や「アプリと機能」から削除を行ってください。
不正なアプリは、見た目が普通でも中身が悪質な場合があります。
名前やアイコンが似ている正規のソフトと見分けがつきにくいこともあるため、よく確認しながら対応してください。
(3)必要に応じてカード会社や各種サービスへ連絡をする
万が一、個人情報やカード情報などを入力してしまった場合は、すぐに各種サービスに連絡することが大切です。
たとえば、クレジットカード番号を入力した場合は、速やかにカード会社に連絡し、不正利用の確認とカードの停止を依頼しましょう。
また、ネットバンキングの情報を入力してしまった場合は、金融機関に状況を伝え、口座の一時凍結やパスワードの変更を依頼してください。
被害に気づくのが早ければ早いほど、不正利用を防げる可能性が高まります。
金銭的な被害が発生してしまっても、迅速な報告と証拠の保存があれば補償を受けられることもあるため、迅速な対応が重要になってきます。
5.トロイの木馬に感染しないための10の対策
トロイの木馬に感染しないようにするには、以下のような方法があります。
- OS・ソフトウェアを常に最新の状態にアップデートする
- セキュリティ対策ソフトを導入し定義ファイルを最新に保つ
- 不審なメールの添付ファイルやURLリンクを安易に開かない
- 信頼性の低いWebサイトからのファイルダウンロードを避ける
- 提供元が不明なアプリやソフトウェアをインストールしない
- 強力なパスワードを設定し複数のサービスで使い回さない
- 多要素認証(MFA)を設定しアカウントのセキュリティを強化する
- 公共Wi-Fi利用時はVPN接続などで通信を暗号化する
- OSやブラウザのセキュリティ設定を確認・強化する
- 重要なデータのバックアップを定期的に作成する
事前に設定しておくことで、回避できるリスクもあります。ぜひ参考にしてください。
(1)OS・ソフトウェアを常に最新の状態にアップデートする
トロイの木馬による感染を防ぐには、パソコンやスマートフォンのOS、そして使用しているソフトウェアを常に最新の状態に保ちましょう。
古いバージョンには、攻撃者に悪用されやすい「脆弱性(ぜいじゃくせい)」が残っていることが多く、それを狙ってマルウェアが侵入する恐れがあります。
たとえば、古いアプリや未更新のOSでは、セキュリティの穴が修正されておらず、トロイの木馬が入り込みやすい状態です。
ですので、アップデートを適用すれば、これらの問題点はすばやく修正され、安全性が高まります。
とくに、自動更新の設定を有効にしておくと、見落としが減り、常に最新の状態を保つことができるので、この設定は必ず確認してください。
(2)セキュリティ対策ソフトを導入し定義ファイルを最新に保つ
トロイの木馬から端末を守るためには、「ウイルスバスター」「カスペルスキー」といった信頼できるセキュリティ対策ソフトを導入し、定義ファイル(ウイルスの情報データ)を常に最新の状態にしておきましょう。
セキュリティソフトは、新しいマルウェアの特徴をもとにしたデータベースを使って、危険な動きを検知・ブロックしてくれます。
しかし、定義ファイルが古いままだと、最新のウイルスに対応できず、すり抜けを許してしまうかもしれません。
とくにトロイの木馬は日々進化しており、新しい手口が次々と登場しています。
そのため、定期的なアップデートによって、最新の脅威に備えることが重要です。
(3)不審なメールの添付ファイルやURLリンクを安易に開かない
知らない相手からのメールにある添付ファイルやURLリンクをむやみに開かないことも、シンプルながら有効な手段となります。
とくに、件名に「至急対応」や「重要なお知らせ」などと書かれている場合でも、内容に心当たりがなければ注意が必要です。
攻撃者は、実在する企業や公共機関を装って、信じ込ませる手口を使ってきます。
たとえば、「荷物の不在通知」や「アカウントの異常検知」などを名目にリンクをクリックさせ、トロイの木馬を仕込んだページに誘導したり、不正なファイルを開かせたりします。
身に覚えのないメールや、内容に違和感を覚えるメッセージが届いた場合は、開かずに削除することが最も安全な対処方法です。
(4)信頼性の低いWebサイトからのファイルダウンロードを避ける
被害に遭わないようにするためには、あやしいWebサイトからファイルをダウンロードしないことが、基本中の基本です。
無料のソフトや動画、ゲームなどを装って、不正なプログラムを仕込んだファイルを配布しているサイトは少なくありません。
たとえば、広告が大量に表示されたり、日本語が不自然だったりするページは、信頼性が低い可能性があります。
また、正規の配布元ではなく、名前が似ているだけのダウンロードサイトを通じてファイルを取得した場合、知らぬ間にトロイの木馬を端末に入れてしまう危険性があります。
とくに、インストーラ型のトロイの木馬はこのようなサイトで配布されることが多いため、注意が必要です。
(5)提供元が不明なアプリやソフトウェアをインストールしない
誰が作ったのか分からないアプリやソフトウェアは絶対にインストールしないようにしましょう。
提供元が不明なソフトには、悪意のあるプログラムが仕込まれている場合があり、見た目が普通でも裏で危険な動きをしていることがあります。
たとえば、「無料で使える便利なツール」や「有料ソフトのコピー版」などを装い、ユーザーに不審に思わせないようにインストールさせようとするケースです。
しかし、その中にトロイの木馬が含まれていれば、個人情報の流出や端末の遠隔操作といった深刻な被害に発展する可能性があります。
アプリの説明やレビューが少なかったり、公式ストア以外で配布されていたりする場合も、十分に注意が必要です。
(6)強力なパスワードを設定し複数のサービスで使い回さない
トロイの木馬による被害を最小限に抑えるためには、強力なパスワードを設定し、複数のサービスで使い回さないことが重要です。
万が一、トロイの木馬によりパスワードが盗まれた場合でも、使い回していなければ被害の拡大を防ぐことができます。
たとえば、一つのパスワードでメール、SNS、ネットバンキングなど複数のサービスを利用していると、一つが突破されただけで他のすべてが危険にさらされます。
そのため、英数字に記号を加えた長めの文字列にするなど、簡単に推測されにくいパスワードを使うことが大切です。
また、パスワード管理が難しい場合は、「1Password」といったパスワード管理ソフトを活用するのもよいでしょう。
(7)多要素認証(MFA)を設定しアカウントのセキュリティを強化する
トロイの木馬によってパスワードが盗まれた場合に備えて、多要素認証(MFA)を設定しておくことは、非常に有効な対策です。
多要素認証とは、パスワードに加えてもう一つの要素、たとえばスマートフォンへの確認コードや指紋認証などを組み合わせる方法です。
これにより、仮にパスワードが不正に入手されたとしても、本人しか確認できない追加の情報がなければログインできません。
とくに、メールやクラウドサービス、ネットバンキングなどの重要なアカウントには多要素認証の設定を強くおすすめします。
多くのサービスで無料で利用でき、設定も数分で完了します。簡単に導入できて、セキュリティ効果が高い手段のひとつです。
(8)公共Wi-Fi利用時はVPN接続などで通信を暗号化する
公共Wi-Fiを利用する際にVPN(仮想専用線)を使って通信を暗号化することも対策として重要です。
たしかに、無料のWi-Fiは便利ですが、暗号化されていないケースも多く、通信内容が第三者にのぞき見される危険があります。
とくに、カフェや駅、ホテルなどのフリーWi-Fiでは、悪意ある人物によって通信が盗み見られたり、偽のアクセスポイントを通してパスワードやクレジットカード情報、ログイン情報などが抜き取られる恐れもあるでしょう。
しかし、VPNを使えば、インターネット上の通信をトンネルの中に通すように暗号化できるため、安全性が格段に高まります。
公共Wi-Fiを利用する環境で重要な操作を行う場合は、セキュリティ対策を万全にしたうえで利用してください。
(9)OSやブラウザのセキュリティ設定を確認・強化する
使用しているOSやブラウザのセキュリティ設定を定期的に確認し、必要に応じて強化しましょう。
初期状態のままでは、不要な機能が有効になっていたり、セキュリティ保護が十分でない場合があります。
たとえば、Windowsではファイアウォールが有効になっているか、更新プログラムが自動で最新化される設定になっているかを確認しましょう。
また、ブラウザでは危険なサイトへの警告表示、ポップアップブロック、不審なダウンロードの防止機能などが正しく動作しているかもポイントです。
これらの設定を見直すだけでも、ウイルスや不正なアクセスのリスクを大きく下げることが可能です。
特別な知識がなくても実行できる対策なので、ぜひ一度ご自身の設定状況を確認してみてください。
(10)重要なデータのバックアップを定期的に作成する
万が一に備えて重要なデータのバックアップを定期的に作成しておきましょう。
どれほど対策をしていても、100%感染を防ぐのは難しく、場合によってはデータが使えなくなる恐れもあります。
そんなとき、バックアップがあれば、データが破壊されたり暗号化された場合でも、元の状態に戻すことが可能です。
外付けハードディスクやUSBメモリ、クラウドストレージなどを活用すると、万が一パソコンやスマートフォンが被害を受けた場合でも、貴重なファイルを失わずに済みます。
とくに、業務データや個人の写真、動画、契約書類など、失うと困る情報はこまめに保存しておくと安心です。
6.まとめ
今回は、トロイの木馬の基本的な定義と種類、予防策について詳しく解説しました。
トロイの木馬とは、一見すると安全そうに見えるファイルやソフトウェアに偽装し、ユーザーの知らない間に情報を盗んだり、外部から端末を操作したりするマルウェアの一種です。
こうした種類を知っておくことで、不審なファイルや挙動に早く気づくことができ、感染の予防や早期対処にもつながります。
スマートフォンやパソコンを安全に使い続けるためにも、ぜひ今回の内容をお役立てください。
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