2025年4月9日

ISO14001の内部監査では、環境マネジメントシステム(EMS)の有効性を評価するため、文書の確認、業務ヒアリング、現場の確認などを行います。ISO14001の内部監査を実施しなければ、重大な不適合となり審査に落ちる原因になります。
目次
- 1. ISO14001の内部監査とは
- 2.ISO14001の内部監査の目的
- (1)規格要求事項の適合性の確認
- (2)法令遵守の確認
- (3)環境目標の達成状況の評価
- (4)継続的改善の推進
- 3.内部監査の進め方
- (1) 内部監査の計画を立てる
- (2) 内部監査の手順
- 4.内部監査員になるには
- (1)ISO14001の知識を習得する
- (2)内部監査員研修を受講する
- (3)実務経験を積む
- 5.サンプリングチェックとは
- 6.内部監査で必要になる記録
- (1)監査計画書
- (2)監査チェックリスト
- (3)監査記録
- (4)監査報告書
- (5)フォローアップ記録
- 7.内部監査の実際の有効性
- (1)監査員のスキル
- (2)監査の客観性
- (3)改善への活用
- 8. 更新前に読んで欲しい内部監査のポイント
- (1)過去の監査結果を確認する
- (2)法令遵守の状況を再確認する
- (3)環境目標の進捗を評価する
- (4)監査記録を整理する
- まとめ
1. ISO14001の内部監査とは
ISO14001は、環境マネジメントシステム(EMS)の国際規格であり、組織が環境への影響を管理し、持続可能な活動を推進するための枠組みを提供します。
その中で「内部監査」は、組織がISO14001の要求事項を満たしているか、また環境目標を達成するために適切なプロセスが実施されているかを確認2する重要な手段です。
内部監査は、組織内のメンバーが主体となって実施するもので、第三者監査(外部監査)とは異なり、内部の視点からシステムの有効性を評価するものです。これにより、問題点や改善点を早期に発見し、環境マネジメントシステムの継続的な改善を促進することができます。
2.ISO14001の内部監査の目的

ISO14001の内部監査には、以下のような目的があります。
(1)規格要求事項の適合性の確認
ISO14001の規格要求事項に対して、組織の環境マネジメントシステムが適合しているかを確認します。
これにより、外部監査に備えることができます。
(2)法令遵守の確認
環境関連の法令や規制に適合しているかを確認します。
法令違反は組織の信頼を損なうだけでなく、罰則や経済的損失を招く可能性があるため、内部監査での確認が重要です。
(3)環境目標の達成状況の評価
組織が設定した環境目標やパフォーマンス指標が達成されているかを評価します。
目標未達成の場合、その原因を特定し、改善策を検討します。
(4)継続的改善の推進
内部監査は、単なるチェック作業ではなく、環境マネジメントシステムの改善を促進するための重要な手段です。監査結果を基に、プロセスや手順の見直しを行い、システム全体のパフォーマンスを向上させます。
3.内部監査の進め方
内部監査を効果的に実施するためには、計画的かつ体系的なアプローチが必要です。
以下では、内部監査の進め方を具体的に解説します。
(1) 内部監査の計画を立てる
内部監査を成功させるためには、事前の計画が重要です。
計画段階では以下のポイントを押さえましょう。
①監査の目的を明確にする
監査の目的を明確にし、何を達成したいのかを定めます。
例えば、「法令遵守の確認」や「環境目標の達成状況の評価」などです。
②監査範囲を設定する
監査対象となる部門やプロセスを明確にします。
全体を網羅するのではなく、リスクが高い領域や重要なプロセスに重点を置くことが効果的です。
③監査スケジュールを作成する
監査の実施日程を決定し、関係者に周知します。
スケジュールは現場の業務に支障をきたさないよう配慮する必要があります。
(2) 内部監査の手順
内部監査の実施手順は以下の通りです。
①監査の準備
監査チェックリストを作成し、監査対象のプロセスや手順書、記録を事前に確認します。
②監査の実施
現場での観察、関係者へのヒアリング、文書や記録の確認を通じて、規格要求事項や法令への適合性を評価します。
③監査結果の記録
監査で発見した不適合や改善点を記録します。
不適合が見つかった場合は、その原因を特定し、是正措置を提案します。
④監査報告書の作成
監査結果をまとめた報告書を作成し、関係者に共有します。
報告書には、監査の目的、範囲、結果、改善提案を明記します。
⑤フォローアップ
是正処置が適切に実施されているかを確認します。
フォローアップは、内部監査の有効性を高めるために欠かせないプロセスです。
4.内部監査員になるには
内部監査員になるためには、以下のステップを踏むことが一般的です。
(1)ISO14001の知識を習得する
ISO14001の規格要求事項や環境マネジメントシステムの基本的な考え方を理解します。
規格の内容を正確に理解することが重要です。
(2)内部監査員研修を受講する
内部監査員としてのスキルを習得するために、専門の研修を受講します。
研修では、監査の計画、実施、報告の方法や、監査員としての心構えを学びます。
(3)実務経験を積む
実際の内部監査に参加し、経験を積むことでスキルを向上させます。
経験豊富な監査員の指導を受けることも有益です。
5.サンプリングチェックとは
内部監査では、すべてのプロセスや記録を確認するのは現実的ではありません。
そのため、「サンプリングチェック」という手法が用いられます。
サンプリングチェックとは、監査対象の一部を抽出して確認する方法です。
例えば、1年間の記録の中からランダムに数件を選び、その内容を精査します。
この手法により、効率的に監査を進めることができます。
ただし、サンプリングの際には、偏りが生じないよう注意する必要があります。
また、リスクが高い領域や重要なプロセスについては、重点的に確認することが求められます。
6.内部監査で必要になる記録
内部監査では、以下のような記録が必要になります。
(1)監査計画書
監査の目的、範囲、スケジュール、監査員の役割分担などを記載した計画書です。
(2)監査チェックリスト
監査対象の項目を整理したリストで、監査をスムーズに進めるために使用します。
(3)監査記録
監査中に得られた情報や観察結果、不適合の詳細を記録します。
(4)監査報告書
監査結果をまとめた報告書で、改善提案や是正措置の内容も含まれます。
(5)フォローアップ記録
是正措置の実施状況や効果を確認した記録です。
7.内部監査の実際の有効性
内部監査の有効性は、以下の要素によって左右されます。
(1)監査員のスキル
監査員が規格要求事項や監査手法を十分に理解していることが重要です。
(2)監査の客観性
監査員が偏見を持たず、客観的に評価を行うことが求められます。
(3)改善への活用
監査結果を単なる指摘事項として終わらせず、組織の改善に活用することが重要です。
有効な内部監査は、組織の環境パフォーマンスを向上させ、外部監査の成功にもつながります。
8. 更新前に読んで欲しい内部監査のポイント
ISO14001の更新審査を控えている場合、内部監査は特に重要な役割を果たします。
以下のポイントを押さえておきましょう。
(1)過去の監査結果を確認する
過去の内部監査や外部監査で指摘された事項が是正されているかを確認します。
(2)法令遵守の状況を再確認する
最新の法令や規制に適合しているかを確認します。
(3)環境目標の進捗を評価する
環境目標が達成されているか、未達成の場合はその原因を特定します。
(4)監査記録を整理する
監査記録が適切に保管されているかを確認し、更新審査に備えます。
まとめ
ISO14001の内部監査は、環境マネジメントシステムの有効性を評価し、継続的な改善を促進するためのプロセスです。
計画的な監査の実施、適切な記録の管理、監査結果の活用を通じて、組織の環境パフォーマンスを向上させることができます。
内部監査を効果的に活用し、ISO14001の更新審査や外部監査に備えることで、組織の信頼性を高め、持続可能な活動を推進していきましょう。
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