2025年10月14日

目次
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- 1.ISO14001規格改訂日について
- (1)改訂スケジュール
- (2)いつまでに対応が必要か
- 2.ISO14001規格改訂の背景
- 3.改訂の具体的な内容について
- (1) 背景
- (2)用語の変更
- (3)組織及びその状況の理解(4.1)
- (4)利害関係者のニーズ及び期待の理解(4.2)
- (5)環境マネジメントシステムの適用範囲(4.3)
- (6)リーダーシップ及びコミットメント(5.1)
- (7)環境方針(5.2)
- (8)リスク及び機会への取組み(6.1)
- (9)変更の計画策定及びマネジメント(6.3)
- (10)運用の計画及び管理(8.1)
- (11)パフォーマンス評価(9.1)
- (12)内部監査(9.2)
- (13)マネジメントレビュー(9.3)
- (14)その他の変更
- 4.ISO14001改訂までに準備しておくこと
- (1)規格項番順に並び替えしておく
- (2)統合マニュアルにしておく
- (3)スリム化をしておく
- 5.まとめ
1.ISO14001規格改訂日について
(1)改訂スケジュール
ISO14001:2026は、2026年1月以降に発行される予定です。
現在、国際的な専門家や関係者が集まり、改訂内容の検討が進められています。
正式な発表はまだされていませんが、改訂案のドラフトが公開される可能性もあるため、早めの情報収集が重要です。
詳細状況:
- 委員会ドラフト更新版(CD2):2025年2月
- 国際規格案(DIS):2025年3月 – 2026年6月
- 最終国際規格案(FDIS):2025年6月 – 2025年12月 ←現在
- 規格発行予定日:2026年1月~
(2)いつまでに対応が必要か
新しい規格が発表された後、通常は3年間の移行期間が設けられます。
そのため、2029年までに新規格への移行を完了する必要があります。
ただし、移行期間中も審査や運用に影響が出る可能性があるため、早めの準備が推奨されます。
2.ISO14001規格改訂の背景
ISO14001は、環境マネジメントシステム(EMS)の国際規格として、企業や組織が環境への影響を管理し、持続可能な運営を目指すための指針を提供しています。
- 気候変動や生物多様性の喪失など、環境問題の深刻化
- 国際的な規制や目標(例: パリ協定、SDGs)への対応
- サプライチェーン全体での環境影響の管理の必要性
といった地球規模の環境問題が深刻化しており、企業の環境対応に対する社会的な期待が高まっています。
これらの背景を受け、ISO14001の規格改訂が進められています。
3.改訂の具体的な内容について
今回の改訂は、規格の項番が大きく入れ替わるなどはなく、ほかのマネジメントシステムとの整合や文言の変更などがメインとなりそうです。
以下が日本規格協会が発表している、改訂の主なポイントです。
ISO 14001改訂の主なポイント
※DIS(国際規格案)時点の内容となります。今後の改訂作業によって変更される可能性があります。・環境保護の範囲が拡大され、気候変動の緩和・適応、生物多様性の保護などが明示的に含まれます 。
・ライフサイクル思考がより明確に要求され、外部から提供されるプロセスやサービスを含むサプライチェーン全体への管理が強化されます 。
・近年の事業環境の変化に対応するため、リーダーシップ及びコミットメントにおいて、環境への責任を重じる組織文化醸成等について追加します。
・マネジメントシステムに関連する変更を計画・管理するための新しい箇条が追加されます。
・リスク及び機会に関して新たに箇条を設け、関連する要求事項(環境側面、順守義務等)との関係を明確化します。※引用元:注目のISOマネジメントシステム特設ページ | 日本規格協会 JSA Group Webdesk
さらに具体的にまとめます。
(1) 背景
- 利害関係者との関係性が追加・明確化
(2)用語の変更
- 「リスク」の単独定義が削除
- 「リスク及び機会」の定義が明確化(有害な影響を「リスク」、有益な影響を「機会」と定義)
(3)組織及びその状況の理解(4.1)
- 外部・内部課題の例示が追加
└「汚染レベル、天然資源の利用可能性、気候変動、生物多様性又は生態系の健全性など」
(4)利害関係者のニーズ及び期待の理解(4.2)
- 順守義務の参照項番が明示。
- 「利害関係者のニーズ及び期待」に以下が含まれるように
└汚染レベル、天然資源の利用可能性、気候変動、生物多様性、生態系の健全性 - 環境関連のサステナビリティ(例:温室効果ガス、生物多様性保護)への活用が示唆
(5)環境マネジメントシステムの適用範囲(4.3)
- 「ライフサイクルの視点を考慮した」という内容が追加
- 文書化情報の管理表現が変更
(6)リーダーシップ及びコミットメント(5.1)
- 「管理層」という表現が削除され、組織全体の支援が求められる
(7)環境方針(5.2)
- 「天然資源の保護」がコミットメントに追加
(8)リスク及び機会への取組み(6.1)
- 章構成が見直され、6.1.4項が見直し
- 緊急事態の考慮範囲が狭まった可能性
(9)変更の計画策定及びマネジメント(6.3)
- 変更管理が独立箇条として新設
- 計画的・非計画的な変更の管理を強化
(10)運用の計画及び管理(8.1)
- 外部提供者の管理に関する表現の見直し
(11)パフォーマンス評価(9.1)
- 「分析」が監視・測定の表現に追加
(12)内部監査(9.2)
- 「目的」が追記され、内部監査の効果向上が期待
(13)マネジメントレビュー(9.3)
- 細分箇条番号が新設。
- インプット項目が「考慮」から「含める」に変更され、記録の明確化が求められる
(14)その他の変更
- 「文書化した情報」の表現が変更され、利用可能な状態にすることが求められる
- ライフサイクルの視点に関する説明が追加
4.ISO14001改訂までに準備しておくこと
ISO14001の規格改訂に備えて、事前に準備しておいた方がいいことがあります。
- 規格項番順に並び替えしておく
- 統合マニュアルにしておく
- スリム化をしておく
これらを事前に準備することで、スムーズに移行完了をすることができます。
(1)規格項番順に並び替えしておく
新しい規格に対応するためには、既存のマニュアルや手順書を規格の項番に合わせて整理することが重要です。
これにより、審査時の確認がスムーズになります。
(2)統合マニュアルにしておく
ISO14001を他の規格(例:ISO9001)と統合して運用している場合、統合マニュアルを作成しておくと効率的です。
これにより、重複する記載を削減し、運用の一貫性を高めることができます。
(3)スリム化をしておく
長年ISO14001を運用している企業では、不要な記載や重複が蓄積しているケースが多いです。
特に、2010年頃から運用を開始した企業は要注意です。審査で指摘されなくなった古いルールや、実務にそぐわない規定を削除することで、マニュアルをスリム化しましょう。
例えば、2025年の段階で専門のコンサルタントに依頼し、既存の規定を整理しておくと、2026年の規格改訂時に必要な差分をスムーズに追記することが可能です。
自社でこれらの作業に手が回らない場合は、ISOコンサルタントに依頼することでムリなく・ムダなく移行作業を行うことができます。
認証パートナーでは、統合マニュアルの作成やスリム化の各業種ごとの事例が豊富にありますので、「自社の場合だと、どうすれば良いだろう?」といった悩みを解決することができます。
5.まとめ
2026年のISO14001規格改訂に向けて、企業は早めに情報収集を行い、改訂内容を正確に把握するようにしましょう。
この改訂対応は、単に規格への適合を目指すだけでなく、環境マネジメントシステムを見直し、企業の環境パフォーマンスや持続可能性を向上させる絶好の機会でもあります。
改訂を契機に、環境管理体制を再評価し、より効率的で効果的な運用を目指すことが求められます。
しかしながら、自社内での文書のスリム化や改訂作業は、手間や時間がかかることが多く、特に長年運用している企業では複雑化しているケースも少なくありません。
こうした負担を軽減するためには、専門のコンサルタントに相談し、煩雑な記録修正や文書整備を任せるのも有効な方法です。
これにより、企業は本来注力すべき環境活動や業務に集中しながら、スムーズに改訂対応を進めることが可能になります。
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