2019年6月24日
ISOの規格改訂は定期的に行われるものです。大体10年以内の間隔で新たにルールが変わり、規格の改訂が必要となります。以前では、ISO9001:1994、ISO9001:2000、ISO9001:2008と1994年、2000年、2008年に改訂が行われています。
ISO9001に関して言えば2000年に改訂された際に、大幅に今までのISOから改訂され、現在のISO9000シリーズの元となっております。今回の改正は2015年9月15日にISO9001:2015が発行されました。JISQ9001:2015は11月20日に公示されましたので、3年間の期間内には多くの企業が改訂をされると思います。その為に、どのように対応していけばよいかを追加項目の解説をふまえてご説明していきます。
①規格要求事項が「4章~10章」の章立となっています。
4章⇒組織の状況
5章⇒リーダーシップ
6章⇒品質マネジメントシステムに関する計画
7章⇒支援
8章⇒運用
9章⇒パフォーマンス評価
10章⇒改善
②従来なかった新しい要求事項が追加されています。
4.1 組織及びその状況の理解
組織の意図した成果に影響を及ぼす「会社内部の課題」・「外部の課題」を特定し、監視し、レビューする。
4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解
組織に関連ある利害関係者を特定し、その利害関係者のニーズ及び期待を特定し、監視し、レビューする
③トップマネジメントの関与が強化されています。
5.1.1 品質マネジメントシステムに関するリーダーシップ及びコミットメント
トップマネジメントは、次に示す事項によって、リーダーシップ及びコミットメントを実証すること。
a)品質マネジメントシステムの有効性に説明責任を負う。
b)品質マネジメントシステムに関する品質方針及び品質目標を確立し、それらが組織の状況及び戦略的な方向性と両立することを確実にする。
c)組織の事業プロセスへの品質マネジメントシステム要求事項の統合を確実にする。
d)プロセスアプローチ及びリスクに基づく考え方の利用を促進する。
e)品質マネジメントシステムに必要な資源が利用可能である事を確実にする。
f)有効な品質マネジメントシステムに必要な資源が利用可能である事を確実にする。
g)品質マネジメントシステムがその意図した結果を達成することを確実にする。
h)品質マネジメントシステムの有効性に寄与するよう人々を積極的に参加させ、指揮し、支援する。
i)改善を促進する。
j)その他の関連する管理層がその責任の領域においてリーダーシップを実証するよう管理層の役割を支援する。
④ISO活動と事業活動の一体化を求めています。
5.1.1品質マネジメントシステムに関するリーダーシップ及びコミットメント
b)品質マネジメントシステムの方針・目標を確立し、組織の戦略的方向性及び組織の状況と両立させること。
d)事業プロセスの品質マネジメントシステム要求事項の統合を確実にすること。
※ISOの為に作業するのではなく、日常的な活動と要求事項が一体化することを求めています。今まで形骸化していた管理の仕組みを、より実務と一体化した仕組み作りへとしていく努力が必要となります。
トップマネジメントは、強いリーダーシップを持って、事業活動とISO要求事項の一体化を実証することが求められています。
⑤あらかじめリスクを考慮したマネジメントシステムの構築が要求されています。
6.1.1品質マネジメントシステムの計画を策定するとき、内外の課題及び利害関係者のニーズと期待を考慮し、次の事項について取組む必要のあるリスクと機会を決定すること。
a)品質マネジメントシステムが、その意図した成果を達成できることを確実にすること
b)望ましくない影響を防止または低減する。
c)継続的改善を達成する
6.1.2組織は以下の事項を計画すること
a)上記によって決定したリスク及び機会に対処する活動
b)次の事項を行う方法
1)その活動の品質マネジメントシステムプロセスへの統合及び実施
2)その活動の有効性の評価
⑥文書と記録の概念が共通化されます。
文書と記録の区別がなくなり、「文書化した情報」となります。
紙媒体、電子情報、画像、音声、図面、看板、絵、写真なども「文書化した情報」となります。「文書化した情報」と言う用語に変わりましたが、従来の「文書管理」、「記録の管理」という意味合いは残っております。
⑦有効性の評価の明確化が求められます。
9.1.1組織は、品質パフォーマンス及び品質マネジメントシステムの有効性を評価すること。
測定可能な結果やパフォーマンスに基づいて、マネジメントシステムの意図した成果が達成されたかを評価(結果を重視)
⑧9001独自の変更・新規の要求事項
(1)適用範囲除外という記載がなくなります。
(2)6つの手順の文書化要求、品質マニュアル作成要求がなくなります。
(3)「7.1.6組織の知識」が新しい要求事項として追加されます。
(4)「8.5.6変更の管理」が新しい要求事項として追加されます。
最後に
上記でご紹介させて頂きました内容が、今回の2015年版の改訂で変更となりました。
項番が変更となりましたが、項番変更以外の内容に関しては、2008年版を元に追加を行なえば、必ずしも品質マニュアルを新しく作りかえる必要はございません。さらに言えば、品質マニュアルを作らなくても、会社のルールが記載されたクレドや経営計画書、又それに代わるものでISOの運用ができてしまうのです。
改訂に伴い、自社での追加要求はございません。今回新しくなった項番や追加された内容が、現在自社でどのように活用されているかを洗い出していくことが、ISO9001:2015では重要かと思っております。上記記載の通り、一番の変化はより日常業務に沿った形で、形骸化されたルールはいらないのです。より会社の必要なシステム作りの為に、まずは現状を知ってみてはいかがでしょうか?
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