2019年6月11日
ISO14001の目的・環境側面の簡素化についてお話していきたいと思います。
環境側面は聞き慣れない用語ですよね。原語はenvironmental aspectであるが、英語を母国語とする英米人でもピンとこない、という人がいます。分かりやすい日本語でいえば「環境に影響しうる要因」だそうです。
環境側面は「環境と相互に影響しうる」とか「著しい環境影響をもつか又はもちうる」とあるように、可能性を潜在させているものも含めて考える必要があります。
たとえば環境保全設備が正常に作動しているために、そこに環境側面がありうることに気付きにくいことがありますが、その設備の異常(故障)によって環境影響が出てくる場合は、環境側面として捉える必要があります。
上記に記載しているように、ISO14001規格には、難しい言葉が多いのですが、この「環境側面」ほど、日本語として意味の判りにくいものはないと思います。ある会社の社長さんなんかは、机の側面をたたいて、「側面て、ココのことかと思ったよ」と言って笑ってました。
しかも、PDCA(計画-実行-チェック-見直し)サイクルの、「4.3計画」の冒頭部分に出てくるので、この言葉の意味を理解しないと、前に進めないし、重要なものでもあります。
問題の解決方法
「問題解決」の手法として、要因分析というやり方がありますが、ISO14001規格でも、この手法を取り入れています。
ISO14001規格の本筋は、いわゆる「目標管理手法」であり、「企業の仕事の環境への影響」を調べて、著しい影響を与えることを、どうするかを、「計画」を立てて「実行」して行くものです。その、「企業の仕事の環境への影響の要因」のことを「環境側面」と言います。
規格では、環境目的(目標)を決める前提として、「環境への影響の要因」をあげて(特定)、評価して「著しい環境影響をもつものを決定しなさい」ということになっています。
いろんな企業へ行くと、「著しい環境側面」や、あるいは「目的・目標」は、すばらしいものが出ているのに、それを選んだ過程や、元の環境側面(要因)が抜けている場合があります。たぶん、仕事を熟知した経営者や環境管理責任者が、頭の中で「環境側面」を吟味して、「著しいもの」を選び出しているという、東洋的な発想ですが、ISO14001規格では、これはダメということです。要因を全部あげて、(紙に書き)それを評価、整理するという規格の手法に即していないからです。
・・・どうでしょう?ここまで書いていくと、環境影響に関することってもしかして「紙ごみ電気を使わない」→「出さない環境にする」→「会社を辞める」になりませんか?(笑)
ある審査員とお会いした際に、建設会社での環境側面や目標ってどんな事例があるんですか?と聞きました。
「うーん。最初のうちは紙ごみ電気の削減かな。」
「長くやってくるとそれが辛くなって逆に業務に支障を来たりしてるけどね(笑)」
どうでしょうか?身に覚えがありませんか?
僕もよく紙ごみ電気削減を目標にしているお客様先にお伺いした事があります。そこのお客様は「会社内での電気の削減」を目標として、「始業時間の5分前までは電気をつけない。お昼休憩前の11:50までに電気を消す。その間13時までは電気をつけない。18:00からは残業だとしても電気をつけない。」
という活動をされてました。凄い目標ですね。
「環境側面を洗い出すまではいいんですよ。ただね、そこからが難しい。どうやって具体的な活動にするのかがさっぱりです。だからずるずる初期の活動を続けに続けてとうとう業務時間内にまで電気の節約が押し寄せてきましたよ。」
とおっしゃっていました。
その際に、お客様にプラス(有益)の環境側面は洗い出していますか?とお伝えしました。
どうしても「環境に影響しうる要因」と聞いてしまうと「環境に対する悪いモノ」と思ってしまいがちです。現に僕も思ってました(笑)
すぐに「環境側面にプラス(有益)」な側面を洗い出しました。そこで出てきたのが“人“です。ヒトに良い影響を与えることも、プラスの環境側面なのです。
「環境側面にプラス(有益)」な側面に目を向ける
会社の中で、ヒトに好影響を与えることって、何だろう?と考えてみると…
・オフィスでの嫌煙・禁煙運動キャンペーン(社員の健康第一、大気も汚れない)
・社内親睦リクレーション(若い社員さんにとっては、悪い環境側面かも…)
・BGMにクラシック音楽を流す(生産性の向上・職場の軋轢軽減?)
とまあ、冗談半分でも、これ位簡単に上がってきます。
是非ともプラスの環境側面の抽出に頭を悩めている会社さんは、“人”に焦点をあててみてください。
まとめ
さて、ちょっとタイトルと離れすぎた所でまとめに入っていきたいと思います。
環境側面、目的を簡単にできる3つの事例
1.環境側面にはいい影響を洗い出すべし
2.目的から決めるのではなく、環境側面から見つける事。
3.側面で不明な事が出てきたならば“ヒト“の問題を洗い出してみるべし。
以上でございます。
是非参考にしてみてください。
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