2019年6月11日
今回は「ISO14001:2015年規格改訂4項「組織の状況」規格解釈」というテーマで書かせていただきます。
まず最初に、4項には何が書かれているのでしょうか?
4項に書かれていること
・4.1組織及びその状況の理解
・4.2利害関係者のニーズ及び期待の理解
・4.3環境マネジメントシステムの適用範囲の決定
・4.4環境マネジメントシステム
の4つです。4項というものは、マネジメントシステムを行ううえでの“準備”の段階の項番です。
4.1項 解釈のポイント
では、まずは4.1項からわかりやすく見ていきましょう。
要求事項で書かれているものは根拠や方法論といったものは要求されていません。組織が自社の置かれている状況をしっかりと把握してしてさえいればよいものとなります。把握の方法としては、お客様との関係などの“外部”と自社の“内部”の課題を踏まえて、目的や戦略を考えていくこととなります。
自社の置かれている状況を把握していきます。あまり難しいことは考えずに、状況をみていきます。同業種でもその企業の置かれている状況は違うと思います。基本的には何か新しいルールを作る必要というのはありません。
次に外部と内部の課題というものを考え、特定していきます。外部と内部の課題とは例えば次のようなものです。
1.自社を取り巻く自然環境:気候、大気の質、土地利用、天然資源の利用可能性など
2.企業が直接コントロールできないようなもの:電気代・ガス代・水道代などのインフラ代の高騰、法規制の詳細が追加、市場での動き、原材料などの不足
3.企業が直接コントロール又は影響を及ぼせるもの:従業員への教育、工場の設備の老朽化など
すでに会議などでこのような内容について話していたらそのまま使えます。また、トップを交えたマネジメントレビューで進める方法も考えられます。
ちなみに4.1項は旧規格では存在しなく、新しい項目となります。
4.2項 解釈のポイント
続いて、4.2項です。
最初に利害関係者は誰か?を把握しいきます。新しい規格では利害関係者に社員や投資家が含まれていることに注意が必要です。投資家が入ることによって社会的な要求があることを意図しています。
また、“ニーズ”とはすでに求められていること。“期待”とは要求はされていないけど暗に求められていることとなります。期待は、競合他社との差別優位点のケースとなる点が多い為、ニーズ同様に対応をしていきたいところです。
基本的には旧規格の活動と変わりませんが、遵守義務の項目が増えており、規制当局も利害関係者に含まれて、特に約束事に対する企業責任の要求は強くなっています。どこまでを利害関係者に含めるかは、その大きさや重要性で考えたいところです。
また、“順守しなければならないもの”“順守するかどうかを組織に任せられているもの”があり、前者については「6.1.3順守義務の対象」になります。
4.3項 解釈のポイント
3つ目は4.3項になります。
物理的及び組織上の適用範囲の“境界線”がどこか、明確にすることを指しています。特に工場と民間エリアの区域が厳しい場合などは注意が必要です。ここの部分は“文書化”が必要となります。文書化とは、文章・絵・図・写真・表などであらわされて明確になっているもののことです。
ここでは押さえるべき5つのポイントがあります。
①4.1に規定する外部及び内部の課題
②4.2に規定する順守義務
③組織の単位、機能及び物理的境界線
④組織の活動、製品及びサービス
⑤管理し影響を及ぼす組織の権限及び能力
①②については前項番で決めたものになります。
③については例えば、工場を含むか、その工場は製品保管まで含むのかなどが対象になります。また、排水等で工場エリアが物理的に決まっている必要がある場合等は境界にも注意が必要です。
④については例えば、運搬まで活動に含まれているか、等のサービス範囲が必要になります。
⑤については、外注先の管理の範囲や強制力の程度、引き渡しまで管理する必要があるかなどが該当します。
4.4項 解釈のポイント
4つ目、4.4項です。
環境マネジメントシステムの構築・運用を求めています。4.1と4.2が考慮されていることで、各企業でとらえ方が変わって良いことを意味しています。
定義にはリスク及び機会への取り組みが追記されています。これにより、自社の置かれている状況で各々が出来る範囲で出来ることを進めることが求められることになりました。
規格改訂も重く考えすぎずにまずはやってみましょう。
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